"6秒の着信" 第1話
20191019、曜。原束から見げる岳は、1で最も鮮やかな季節を迎えていた。赤く染まったカエデと黄い葉が肌を埋め、朝くから国公園の入には登客を乗せたバスや乗用が次々と到着していた。週末と葉の最盛期がなったこともあり、午8を過ぎる頃には売のにも登にも、とりどりの登を着た々が途切れることなく続いていた。
その混みのに、ソウルからやって来た1組の若い男女がいた。28歳のユ・ジフンと、27歳のハン・アリン。2は学を卒業して数、共通の友の結婚式で再会したことをきっかけに交際を始め、翌4には自分たちの結婚式を挙げる予定になっていた。
式の契約はすでに済み、居となるマンションも決まっていた。アリンの携帯話にはドレスショップから送られてきた試着写真が何枚も残され、ジフンの財布には居で使う具の会員カードが入っていたという。族も友も、この2が突然すべてを捨てて姿を消す理由など、になってもつとしていつかなかった。
午812分、ジフンが運転するい乗用が岳国公園の駐に入った。からりたアリンは両腕をに伸ばしてきく息を吸い、「やっぱり空気が違うね」
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と笑った。ジフンはトランクから2分のバックパックをしながら、「だからもっとくようって言っただろ」と答え、アリンはその背を軽く叩いていた。
駐くの売で、2はおにぎりに似た簡単な軽、チョコレート、ミネラルウォーター、スポーツドリンクを買った。レジを担当していた女性は、事件の聞き取りに対し、2が結婚の恋同士だと分かったのは会話をにしたからだと話している。アリンが「来は夫婦で来るんだから、今はちゃんと写真を撮ってよ」と冗談を言うと、ジフンが笑いながら「今は100枚撮る」と答えていたという。
午843分、2は登を通過した。入付の防犯カメラには、黒い登にのバックパックを背負ったジフンと、赤いジャケットに黒いパンツ姿のアリンが並んで歩いていく様子が残されていた。アリンが携帯話を伸ばして自撮りをすると、ジフンがを寄せ、撮された画面を2で確認して笑っていた。
午に異変はなかった。では2緒に休み、展望点では交代で写真を撮り、午11半頃には製デッキのくで昼を取っている。くに座っていた50代の夫婦は、アリンが「次は両親も連れてきたいね」と言い、ジフンが「そのは婚夫婦として案内しないとな」
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と笑っていたことまで覚えていた。
午に入ると、登ではする者とさらに奥へむ者が入り混じり始めた。それでも葉シーズンの曜であり、周囲には常に誰かの姿があったため、危険なに2きりになるような状況ではなかった。の捜査でも午2台までは複数の登者のカメラに2の姿が偶然写り込んでおり、なくともその点では何かに怯えているような様子は確認されていない。
異変が映像として残ったのは、午3を過ぎてからだった。
午319分、腹に設置されていた監カメラにジフンが1で現れた。彼は度もろを振り向かず、分岐点からへ続く登を選び、し速い取りで登っていった。ってはいなかったが、景を眺める余裕もなく、まるで決められた所へ向かっているような歩き方だった。
その7分、同じカメラにアリンが現れた。
赤いジャケットのアリンは分岐標識のでほんの数秒だけ周囲を見た、ジフンとは反対側、渓へ向かってるへ迷いなく入っていった。携帯話を確認する様子も、ジフンを探している様子もなかった。数まで肩を並べて歩いていた恋同士が、なぜ同じ分岐点から正反対の方向へ向かったのか、その理由を説できるは当どこにもいなかった。
しかし、本当の謎は2が別れたことではなかった。
その49分、別々の方向へ消えたはずの2は、再び同じ所にいたのである。
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