みかん小説
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"退職祝いは離婚届" 第3話

だから老ができてから、夫婦でゆっくりすればいいと本気で考えていた。

真由美も同じだとっていた。

妻がいなくなって目。

俊夫は初めて洗濯の説を読んだ。

操作自体は難しくなかった。洗剤を入れ、コースを選び、ボタンを押せばいいだけなのに、柔剤をどこへ入れるのか分からず、最初の回は洗濯物が妙にごわついた。

事も面倒だった。

現役代なら昼は会社でべ、夜は帰れば用されていた。退職の自分にはすべて、自分で決める必がある。

最初のした。

目には飽きた。

スーパーで弁当を買い、へ戻ってべると、卓が妙に広くじた。

いな」

独り言を言った。

誰も返事をしない。

真由美なら「血圧いから、それくらいでいいの」と言っただろう。

その言葉まで聞きたいとった自分に、俊夫はし腹がった。

、彩が来た。

34歳になった娘は、結婚して横浜にんでいる。母から別居の話を聞いていたらしく、玄関へ入るなり父親を見てため息をついた。

「お母さん、本当にたんだ」

「おってたのか」

曇野くのはってた」

俊夫は声を荒らげた。

「何で俺に言わなかった」

静だった。

「お母さんに言わないでって言われたから」

「娘なら止めろよ」

「何で?」

俊夫は言葉に詰まった。

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「夫婦だぞ」

「だから夫婦で話せばよかったじゃん」

娘の調が妙に母親に似ているのが癪に障った。

「母さん、何か男でもいるのか」

言った瞬、彩の顔が変わった。

「最

能性聞いただけだろ」

「お父さん、お母さんが自分の選ぶ理由って、男しかいつかないの?」

俊夫は黙った。

蔵庫をけた。

にはビール、卵、納豆、スーパーの総菜しかない。

「ちゃんとべてる?」

ってるよ」

「お母さんに連絡した?」

ない」

「メッセージは?」

「戻ってこいって送った」

蔵庫のドアを閉めた。

「それ、連絡じゃなくて命令じゃん」

俊夫は腹がった。

「俺が何したっていうんだ」

はしばらく父親を見た。

「たぶん、それが番駄目なんだとう」

「何が」

「何もしてないとってること」

その、彩は夕を作らず帰った。

なら、娘が来れば何か買ってきたり、蔵庫を理したりした。真由美に頼まれていたのだろうと俊夫は勝っていたが、今は本当に何もしなかった。

夜。

俊夫は押し入れから古いアルバムをした。

結婚当初。

幼い彩

父の葬儀。

会。

族旅

写真のに真由美はたくさんいた。

しかしよく見ると、真由美の写真はなかった。

撮っていたのが真由美だからだ。

族写真でも、俊夫と彩だけのものがい。

いつも妻はカメラのにいた。

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アルバムの最の方から、枚のパンフレットが落ちた。

の流氷ツアー。

を見る。

2003

23だった。

裏に真由美の字で、

《彩入ったら?》

いてある。

俊夫はく見た。

そんな話をされた気がする。

自分は何と答えたのだろう。

たぶん、

「その頃忙しいから、また今度」

だった。

その夜初めて。

俊夫は、自分が何度「また今度」と言ったのかを考えた。

数えられなかった。

真由美がみ始めた曇野のは、築50を超える平だった。くなった伯母がで暮らしていたため、台所も浴も古く、になれば隙が入るようなだったが、縁側からアルプスの並みが見えた。

伯母がくなったあと、従姉妹の良子は京にがあるため処分したがっていた。真由美が「私が使いたい」と言うと、良子は驚きながらも、維持費を負担するなら好きにしていいと持分を譲ってくれた。

真由美は半からしずつ準備していた。

それを俊夫はらなかった。

具を処分し、元の回りの修理を頼み、所のさな堂で週働く話まで決めていた。

その堂を営むのは、代の同級である川由紀だった。夫を10くし、元野菜を使った昼さなで切り盛りしている。

「本当に来たね」

真由美が初勤した、由紀は笑った。

「来るって言ったでしょう」

「どうせ旦さんに止められるとってた」

「言ってないから」

「それ婚になるよ」

「なりそう」

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