"私を変えた元嫁" 第9話
美津は胸が痛んだ。
「分かった」
今度は迷わなかった。
「最」
「まだあるの?」
「あります」
梨奈はし息を吸った。
「私はもう、お義母さんの嫁じゃありません」
「うん」
「だから族扱いして、曖昧にしないでください」
美津はしばらく答えられなかった。
族。
その言葉に逃げてきたのは、自分だったのかもしれない。
料。
仕事。
休。
責任。
見。
族だから曖昧でいい。
族だからする。
族だから教える。
族だからをす。
「分かった」
美津は答えた。
梨奈はちがった。
「考えます」
「いつまで?」
言いかけて、美津はを閉じた。
梨奈が笑った。
「今、聞こうとしたでしょう」
「聞いたら駄目?」
「駄目じゃないです」
「じゃあ、週くらいで」
「それは私が決めます」
美津は苦笑した。
「はい」
梨奈はをた。
週。
話が来た。
《3ヶだけ、試しに働きます》
美津は画面を見た。
嬉しかった。
しかしすぐに、
《ありがとう》
とだけ返した。
《戻ってきてくれて嬉しい》
とはかなかった。
3ヶに辞める能性もある。
その自由まで含めて戻ってくるのだと、
今度は理解していた。
梨奈が宮本へ戻った。
内の空気が変わった。
パート従業員はびした。
「梨奈ちゃん!」
「戻ってきたの?」
「もう来ないとってた!」
梨奈は笑いながら、
「3ヶのお試しです」
と答えた。
美津はしれた所から見ていた。
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以なら、
「遊びじゃないんだから」
と注したかもしれない。
そのは何も言わなかった。
梨奈の肩は、
《舗企画・販売責任者》
になった。
若女将ではない。
嫁でもない。
料もげた。
それまで族だからという理由で、梨奈の与は同業の管理職よりかった。
美津は税理士へ相談し、仕事内容にう額へ変更した。
数字を見た、
「こんなに?」
とった。
にはさなかった。
その代わり、自分が何く働かせていたのかを初めてった。
梨奈は戻ってすぐ、のレイアウトを変えたいと言った。
「入の羊羹、所かしたいです」
「何で?」
「初めて来る、最初にい商品並んでると入りにくいんです」
「でも昔から」
言いかけた。
梨奈が美津を見た。
美津も気づいた。
でし笑った。
「数字ある?」
「あります」
梨奈は資料をした。
美津は読んだ。
「じゃあヶ」
「ありがとうございます」
結果は良かった。
次に梨奈はの角へさな子を置いた。
買った菓子をそのでべられるスペース。
美津は反対した。
「喫茶じゃないんだから」
「お茶だけ無料でします」
「回転悪くなる」
「まず席だけ」
議論した。
最は梨奈が勝った。
美津は満だった。
ヶ。
齢の常連客がそこで休みながら羊羹をべていた。
「これいいわねえ」
言われ、美津は、
「梨奈が考えたんです」
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と答えた。
にしたあと、梨奈がこちらを見た。
何も言わない。
美津はし照れた。
以なら、
《若いの見もたまには役につ》
くらいの言い方をしただろう。
今は、
梨奈が考えた。
それだけでよかった。
ヶが過ぎた。
試用期の最終。
美津は落ち着かなかった。
梨奈から何も言われていない。
閉。
帳簿を理していると、梨奈が来た。
「お義母さん」
「その呼び方、まだするんだ」
梨奈がし笑った。
「何て呼べばいいですか」
美津は考えた。
社ではない。
主。
宮本さん。
美津さん。
「何でもいいよ」
梨奈が笑った。
「番困る答え」
「じゃあ美津さん」
自分の名で呼ばれた。
し変なじがした。
「何?」
「私、続けます」
美津の胸がくなった。
「そう」
それだけ言った。
梨奈が眉をげた。
「嬉しくないですか」
「嬉しいよ」
「全然見えない」
「じゃあどうすればいいの」
で笑った。
「ただし」
梨奈は言った。
「もうつ話があります」
美津の顔が引き締まった。
「の経営、もうし私にも見せてください」
「見せてるでしょう」
「帳簿の部だけです」
「必ある?」
言ったあと、自分で気づいた。
また始まっている。
梨奈は責めなかった。
「将来どうするか考えるなら、必です」
将来。
美津はし怖くなった。
「宮本、継ぎたいの?」
梨奈はすぐ答えなかった。
「まだ分かりません」
以の美津なら、
「分からないなら見せる必ない」
と言っただろう。
今回は違った。
「分かった」
帳簿棚の鍵を取った。
梨奈へ渡す。
「来週、税理士さん来るから緒に聞いて」
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