"私を変えた元嫁" 第4話
言っていない。
そう言おうとした。
けれど言葉が止まった。
似たことは言っている。
何度も。
美津はし腹がった。
「じゃあ、私が教えたことは関係なかったっていうの?」
「そうじゃありません」
「だったら」
「ゼロから全部、お義母さんが作ったわけじゃないって言ってるんです」
梨奈の声はくなかった。
それが逆に美津を苛たせた。
「分かった」
帳簿を閉じた。
「もう言わない」
梨奈も何も言わなかった。
その夜の夕は静かだった。
拓はの空気に気づいていたが、仕事の話だけをしていた。
美津は事をしながらった。
梨奈は変わった。
以なら、注すればまず謝った。
今は自分の見を言う。
それ自体は悪いことではない。
成したということだ。
それなのに美津のには、し気に入らないというが残った。
自分が望んでいたはずだった。
自信を持ってほしい。
のことを理解してほしい。
派になってほしい。
その通りになった。
なのに。
梨奈が自分で考え、自分で決めるようになるほど、美津は落ち着かなくなった。
初めて、その矛盾に気づいた。
梨奈の提案は、そのも増えた。
オンライン販売。
凍便対応。
国語の簡単な商品説。
若い職と共同で作る季節限定商品。
美津はつずつ吟し、半分は認め、半分は断った。
ただ、断った案のには、数ヶに美津自が「やっぱりやってみよう」
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と言うものも増えていた。
梨奈はそのことを指摘しなかった。
そこが美津には余計に気になった。
昔なら、
「ほら、私が言ったでしょう」
と笑ったはずだ。
今は何も言わない。
まるで美津が自分で気づくのを待っているようだった。
目。
宮本はテレビの域報番組で紹介された。
取材依頼の話を取ったのは梨奈だった。
ディレクターは「若女将をに、老舗の変化を取材したい」と言った。
美津は瞬引っかかった。
「私もるんですよね?」
梨奈が話を置いたあと聞いた。
「もちろん。お義母さんが主ですから」
「ならいいけど」
テレビ撮の。
美津は朝から着物を着た。
梨奈も美津が選んだい桜の着物を着た。
撮は内から始まった。
創業の歴史。
先代の写真。
昔使っていた型。
美津は丁寧に説した。
ところが放送された番組を見ると、使われたのは美津の話より梨奈の面の方がかった。
商品の企画。
SNS。
包装。
客との会話。
ナレーションでは、
《伝統を守る老舗を、しい覚で支える若女将》
と紹介された。
最に美津が笑顔で、
「若いの見も事ですから」
と言う面が流れた。
撮では、そのに10分以話していた。
「ずいぶん切られたね」
美津が言うと、拓が笑った。
「テレビなんてそんなもんだろ」
梨奈は何も言わなかった。
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翌、には客が並んだ。
ほとんどが梨奈の季節箱を目当てに来ていた。
「昨テレビてた方ですよね?」
若い客が梨奈へ声をかける。
「見ました」
「かわいかったです」
梨奈は照れながらをげた。
美津はレジにっていた。
客が来る。
売ががる。
本来なら嬉しいはずだった。
それなのに胸のにさな棘があった。
閉、美津は言った。
「テレビる、もうし落ち着いた話し方した方がいいね」
梨奈が振り返った。
「変でした?」
「変じゃないけど、若い子みたいだった」
「私、33ですけど」
「そういうじゃなくて。宮本の代表みたいに映るんだから」
梨奈がし黙った。
「代表はお義母さんですよ」
「分かってるよ」
美津はすぐ答えた。
なぜか自分の声がくなった。
その週の曜。
拓が珍しくへ来た。
梨奈へ向かって言った。
「最すごいじゃん」
「何が?」
「会社でも見たっていたよ」
梨奈は笑った。
「恥ずかしい」
「いや、普通にすごいよ」
拓は母にも言った。
「梨奈に任せて正解だったな」
美津は笑った。
「誰がここまで教えたとってるの」
冗談のつもりだった。
しかし梨奈は笑わなかった。
拓も瞬黙った。
美津はその沈黙が嫌だった。
「何よ。冗談でしょう」
「分かってるよ」
拓が言った。
夕。
美津は階へがる途、寝から夫婦の会話が聞こえた。
聞くつもりはなかった。
けれど自分の名がた。
「お義母さん、最ちょっとしんどい」
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