"壁の中の13年" 第5話
13というは、々から疑問を奪い、やがて「そういうこともあった」という昔話に変えていった。
平成16、埼玉内の部域を対象とした再発計画がき始めた。古い宅を取り壊して商業施設と集宅を建てることになり、田も解体対象に含まれた。誠は役所や業者との続きを済ませ、い持っていた玄関の鍵を解体会社へ渡した。
平成16420。
朝から作業員たちがへ入り、具や古い器を次々とへ運びした。午になると寝の壁を取り壊す作業が始まり、の作業員がハンマーを入れた、壁の内側から自然な空洞が現れた。
元の設計にはない空だった。
作業員が内部を照らすと、暗の奥に黒いビニールが何にも巻かれたきな包みが見えた。
現監督は作業を止め、包みには用に触れないよう作業員へ指示した。隙から見えるものが古い建材なのか廃棄物なのか判断できなかったが、から塞いだ形跡があること自体が自然だった。警察へ連絡が入り、30分ほどで現はち入り禁止となった。
慎に壁の部を広げると、の骨とわれるものが確認された。包みのには古くなった類やさなハンドバッグも残されており、財布のから分証が見つかった。そこにかれていた名は、旧姓田美智子、結婚の姓は田だった。
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13に消えた妊婦だった。
連絡を受けた誠は、から直接現へ駆けつけた。規制線のから警察官に見せられた紺のワンピースを確認すると、「失踪したに着ていたものです」と答え、そので力が抜けたようにしゃがみ込んだ。13探し続けた妻は、い町にものにもおらず、自分たちが暮らしていた寝の壁のにいた。
義母は当すでに入院活を送っており、病院でらせを受けた。嫁の遺骨が息子夫婦のから見つかったと聞くと、何度も「そんなはずはない」と繰り返し、そのしばらく誰とも話そうとしなかった。京にいた茂にも連絡が入り、彼はそののうちに埼玉へ戻った。
司法解剖や骨の状態から、美智子は失踪した頃にくなった能性がいと判断された。部にはい衝撃を受けた痕跡があり、自然や単純な事故として片づけることはできなかった。さらに壁の空は元からあった収納ではなく、誰かが図に壁を壊し、内部を加して作ったものだった。
しいセメントや壁で塞いだ痕跡が残っており、13に何らかの事がわれたことはらかだった。の所者は誠であり、美智子が消えたもしばらくそこにんでいた。警察がまず夫へ疑いを向けたのは当然だった。
再捜査を担当したのは、県警の佐々という40代半ばの刑事だった。
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彼は平成3当の記録を最初から読み直し、聞き込みの内容、アリバイ、目撃証言、族関係までつずつ洗い直した。13には「の能性がい」と判断されたため、内部の詳細な捜索がわれていなかったことも分かった。
佐々は誠を呼び、の事聴取をった。
「壁のに奥さんがいることを、本当にらなかったんですか」
誠は青ざめた顔で、「りませんでした」と答えた。妻が消えた1ほどはに入りしていたが、そのは母親のへ移り、寝の壁を壊したことも修理したこともないと話した。
佐々は平成3117の空のについても改めて尋ねた。午2頃、誠が建設現を約1れていたことは当の記録にも残っており、自宅までで移することも能ではなかった。しかし誠は13と同じように、「現くで腹を壊していた」と繰り返した。
それだけではなかった。
もし美智子をそのの午に殺害したのが誠だったとしても、失踪当の夜から彼は所を探し回り、夜には警察へ届けている。さらに壁を壊して遺体を隠し、再びきれいに塞ぐ作業にはく見積もっても数が必であり、失踪当の夕方までにで終えることは難しかった。
佐々はの施経験者にも壁を調べてもらった。
専は「慣れているが具を使っても、それなりにがかかったはずです」
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