"閉店写真館の11通" 第4話
「1999のクリスマス頃のお写真です」
「クリスマス?」
「女の子が写っています。おは学くらい、もうおは学学くらいでしょうか」
話の向こうが静かになった。
「妹です」
苗が言った。
翌の夕方、苗は仕事帰りの制姿でへ来た。
封筒を見るなり、「こんなの残ってたんだ」と驚いたが、すぐにはを伸ばさなかった。
「忘れてました?」
佐子が聞く。
「フィルムしたのは覚えてる気がします。でも、そのあと……」
苗は言葉を止めた。
写真を取りす。
最初の数枚を見ているうちは、懐かしそうに笑っていた。
ところが妹とでケーキを持っている写真で、表が変わった。
「妹さんは?」
佐子は、子のと同じ質問をしてしまった。
苗は写真をテーブルへ置いた。
「きてます」
「そうですか」
「たぶん」
佐子は顔をげた。
苗と妹の裕美は、22会っていなかった。
きっかけは母親の介護だった。
父親はくにくなり、母親が脳梗塞を起こした、当独だった苗が実へ戻った。妹の裕美はすでに結婚して阪にんでおり、さな子どももいた。
最初はに度帰ってきた。
そのうちヶに度になった。
苗のに満が溜まった。
「私は仕事辞めたんですよ」
苗は写真を見ながら言った。
「妹は話で『無理しないで』って言うだけ。
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無理しないで済むなら、最初から無理してないですよね」
母親がくなったあと、相続でも揉めた。
実を売ったを半分ずつ分けることになり、苗は納得できなかった。介護をしたも、仕事を辞めたことも、何もなかったように等分されることが許せなかった。
「最に話した、言ったんです。もう妹だとわないって」
それ以来、連絡を取っていない。
「向こうも同じでしょう」
苗は平然と言った。
しかし、写真のの妹から目をさなかった。
1999。
は肩を寄せい、同じ赤い子をかぶっている。
母親が台所からこちらを見て笑っている。
「このは仲良かったんですね」
佐子が言うと、苗はし眉を寄せた。
「仲良かったですよ」
答えはかった。
「妹、好きだったから」
その声だけがしくなった。
苗は写真を持ち帰った。
何も起きないだろうと佐子はった。
しかし週、苗が再びへ来た。
今度は私だった。
「これ」
さな箱を差しした。
にはクッキーが入っていた。
「写真のお礼です」
「そんなことしなくていいですよ」
「妹に連絡しました」
佐子のが止まった。
「そうですか」
「写真を枚、スマホで撮って送ったんです」
苗は苦笑した。
「『こんなのてきた』って、それだけ」
返事は翌に来た。
《お母さん若いね》
それだけだったという。
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「22ぶりで、それですよ」
苗は笑った。
「普通、もっと何かありますよね。久しぶりとか、ごめんとか、元気とか」
「苗さんも『こんなのてきた』だけだったんでしょう?」
佐子が言うと、苗は黙った。
「写真さん、と痛いこと言いますね」
「すみません」
で笑った。
その、数に度、いメッセージのやり取りをしているという。
まだ会う予定はない。
介護の話もしていない。
昔の喧嘩も謝っていない。
「でも昨、妹が猫飼ってるって初めてりました」
苗は言った。
「猫の写真送ってきました」
「かわいかったですか?」
「まあまあ」
そう言いながら、苗は笑っていた。
佐子は、写真枚で族が元通りになるわけではないことをっていた。
子の息子が戻ってくるかも分からない。
苗と妹がまた姉妹らしく会えるのかも分からない。
それでも、枚の古い写真には、が完全に閉めたつもりの扉を数センチだけける力があるのかもしれない。
閉まで、あと65。
11通のうち2通が戻った。
通目は、もっと簡単な返却になるはずだった。
ところが、その封筒をけた、佐子は枚目からを止めた。
20035。
町の学の運会。
い体操をかぶった女がっている。
その女を、佐子はっていた。
自分の娘だった。
12歳の真理が、写真のをっていた。
封筒の表には《児玉孝》とかれていた。
佐子は最初、その名に覚えがなかった。所を見ると、当この町にんでいたらしいが、瀬写真館の常連客ではない。
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