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"墓前の偽息子" 第4話

誠によれば、その男の名は俊介といい、子と同代だった。最初は代の友グループで事をしているだけだと説されていたが、やがてだけで会うようになり、子のカード利用額も増えていった。ブランド物のバッグ、ホテルのレストラン、額な美容施術など、以なら迷っていた費を平然とするようになったという。

「問い詰めなかったの?」

文子が聞くと、誠は苦く笑った。

「聞いたよ。でも『疑うなら婚する』って言われた。俺が仕事ばかりで寂しくさせたのも悪いとって、それ以は言えなかった」

その言葉で、文子は息子がここ数ヶ見せていた疲れの理由を理解した。誠は妻を疑いながらも、庭を壊したくないで自分の方に原因を探していたのだろう。き貴志も器用な男だったが、なくとも族の問題から逃げず、話しうことだけはやめなかった。

庫に何が入っているとわれているのかしら」

文子が呟くと、誠が瞬こちらを見た。

「親父の遺産じゃないのか?」

貴志がくなった際、相続はすでに終わっている。ただ、の貴志は現を好み、だけでなく自宅にもある程度の資産を置いていた。それをっていた子なら、「義母が今もかなりの現庫に残している」と考えていても議ではなかった。

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実際には、庫のにある現数万円程度だった。それ以類やの品ばかりであり、危険を冒して盗むほどの財産ではない。しかしから見れば、古いきな耐庫はそれなりの資産を隠しているように見える。

「正子が聞いたのよ」

文子はした。

「『まだその庫使ってるんですか』って。それで私、『番号を変えたばかりだから、忘れないようにしないとね』って笑って答えたの」

誠はハンドルを握るに力を込めた。

もしその会話を覚えていて、墓参りのと誠のを利用したのなら、今話はいつきではない。なくとも数から計画していた能性がい。さらに俊介という男が誠の声を装ったのなら、子は自分の夫を利用して姑を騙すところまで踏み込んでいる。

文子は警察へ相談することも考えた。しかし現点ではを渡しておらず、自宅にもまだ侵入されていない。話の着信履歴と会話の記憶はあるものの、より確実に何を企んでいるのかを確認してから通報した方がいいと判断した。

に着いたら、私だけ先に入るわ」

「俺もく」

「あなたは隣の部にいて」

誠は驚いた顔をした。

「どういうだよ」

子さんが、私だとっているにどう話すか見ておきなさい。あなたが最初からていけば、驚いて全部否定するだけでしょう」

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誠はしばらく黙っていた。

「母さん、怖くないのか」

「怖いわよ」

文子は正直に答えた。

「でも、お父さんが残した庫より、今はあなたの方が事だから」

誠の目が瞬潤んだ。

文子はそれ以何も言わず、窓の線を向けた。

自宅へ向かうはずだったは、やがて誠夫婦のがあるへ入っていった。

昼をし回った頃、は誠のへ着いた。普段なら玄関子のまっているだけだが、このし先に見慣れない黒いセダンもまっていた。エンジンは切られていたものの運転席には誰もおらず、誠はナンバーを覚えるようにじっと見つめた。

「俊介のかもしれない」

誠が声で言った。

文子は頷いたが、すぐに結論はさなかった。誠には勝側から入り、玄関脇ので待つよう伝え、自分だけ正面玄関のチャイムを押した。数秒子が扉をけた。

「……お義母さん?」

その顔には、らかな揺がった。

しかし子はすぐに笑顔を作った。

「あら、どうしたんですか。今はお墓参りじゃなかったんですか?」

「ええ。帰りにし寄ろうとって」

「急に来られても困りますよ。私、これからかけるところなんです」

文子は靴を脱ぎながら、玄関の奥へ目をやった。いつもより部が散らかっており、ダイニングテーブルには分のコーヒーカップが置かれている。

さらに皿には子が吸わない銘柄の煙本残されていた。

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