"消えた23人の観光団" 第4話
その業団は2000代初めまで規模が並んでいた所だった。景気の悪化と流で閉鎖が相次ぎ、現は板のれた建物やの伸びた駐が目っている。
映像ので、黒いワゴンは古い3階建ての建物のへまった。
りてきたのは7。
そのまま全員が建物へ入っていった。
以、隣のカメラに7の姿は確認できなかった。
「所者は?」
「3に国系の名義で購入されています。ただ、登録所には今誰もいません」
「話は?」
「繋がりません」
鈴が翌朝の捜索を決めたその夜、福岡県警への若い女性が訪ねてきた。
吉田由美、24歳。
州学に通いながら、国語を活かして旅会社で通訳アルバイトをしている学だった。
取調ではなく、さな相談で話を聞いた。
由美は最初から両をく握っていた。
「私が担当した観団……おかしかったんです」
「どこが?」
「観に興がありませんでした」
彼女が担当したのは10旬に福岡へ来た28の団体だった。
太宰府へっても写真を撮らない。
商へ連れてっても買い物をしない。
ガイドの説もほとんど聞かず、が過ぎるのだけを待っているように見えたという。
さらに奇妙なのは数だった。
「最初は28でした。でも2目には25、3目には23になっていました」
「5もいなくなった?」
広告
「はい」
「なぜ会社は通報しなかったんですか?」
由美は線を落とした。
「課から、気にするなと言われました。観客には個な予定がある、勝にれるもいる。黙っていれば追加当をすって」
鈴の表が固くなる。
由美は続けた。
「3目の夜、ホテルで眠れなくて廊にたんです。午1頃でした」
非常階段の方から国語が聞こえた。
づくと、団体の3がいガウンのようなを着た男たちと話していた。
「全部は聞き取れませんでした。でも『病院』『術』『肝臓』という言葉が聞こえました。あと、おの話もしていて……ものすごい額でした」
由美はそのまま部へ戻った。
翌朝。
空港へ向かうバスの休憩、の男が彼女へづいてきた。
40代半ば。
ほとんど話さず、の観客とは距を取っていた男だった。
男は国語で静かに言った。
「見たことも聞いたことも全部忘れろ。族のためだ」
それだけだった。
鳴ったわけではない。
笑いながらちった。
だからこそ由美には、本気の脅しだと分かった。
「ニュースで糸島の件を見て、もしかして関係があるんじゃないかとって……」
鈴は未帰国者23の写真を机へ並べた。
「このに、その男はいますか?」
由美は枚ずつ確認した。
8枚目でが止まった。
「このです」
写真には李、47歳と記載されていた。
広告
自営業。
単で団体旅へ参加。
そして、予定された帰国に本をた記録はなかった。
「この団体が泊まったホテルは?」
「博駅くです」
その夜、捜査員はホテルの防犯映像を確認した。
幸い、10旬のデータがまだ残っていた。
午2。
李と別の2が裏からてくる。
3は型の保バッグを持っていた。
にはい凍トラック。
男たちはバッグを積み込み、そのままりった。
ナンバーを照会すると、千葉県に登録された産物販売会社の両だった。
ただし会社は3かに倒産している。
だけが返却されず、所になっていた。
「幽霊会社か」
所もも名義も、実体がない。
誰かが追跡されることを最初から定して準備している。
捜査本部は千葉の業団にある3階建て建物へ、翌朝5に入ることを決めた。
午430分。
建物を特殊部隊が包囲した。
照はつも点いていない。
鈴は無線を握りながら正面玄関を見つめていた。
「裏、配置完」
「2階非常、異常なし」
5。
図と同に扉が破られた。
「警察だ! くな!」
返事はなかった。
1階は埃だらけだった。
ただ、には最付いた靴跡が残っている。
2階。
最初の部には病院用に似たベッドが5台並んでいた。
隣の部には図モニター、酸素関連器、点滴用スタンド。
すべて源は落とされていたが、放置された物には見えなかった。
「3階に来てください」
無線から声が入った。
鈴が階段をがる。
廊の突き当たり。
捜査員が青い顔でっていた。
広告
おすすめ作品
-
完結第12話
床下の小さな指輪
1991年、群馬県山川町の古い油屋で、嫁の佐藤美優が幼い息子を残して姿を消した。 家族は「男と駆け落ちした」と証言し、町にもその噂は広まった。働き者で、息子を誰より大切にしていたはずの美優は、いつしか“子供を捨てた母親”として語られるようになる。 それから6年後。 借金で差し押さえられた油屋の離れを壊した時、床下のセメントの奥から、人骨と小さな金の指輪が見つかった。 美優は本当に家を出たのか。 なぜ姑は、離れを壊すことだけを必死に止めたのか。 そして彼女が最後まで握りしめていた指輪は、誰のためのものだったのか――。ミステリー|真相1.8萬字5 77 -
完結第12話
膨腹の老人ホーム
長野県郊外の老人ホーム「日和の里」で、ある日を境に高齢女性たちの腹部が次々と異常に膨らみ始めた。 82歳の梅香、78歳の静江、85歳の時子。三人は同じフロアで暮らし、夜になるたびに何かを恐れるような表情を見せていた。介護士の佐藤美咲は異変に気づき、医師への連絡を求めるが、主任の神崎さゆりは「ただの便秘」と取り合おうとしない。 やがて美咲は、三人が夜中に小さな包みを飲まされていたことを知る。 家族との面会は制限され、記録は改ざんされ、施設長と主任は何かを隠している。誰も声を上げられない閉ざされた老人ホームで、美咲だけが真実を追い始める。 しかし、彼女が証拠に近づいた時、今度は美咲自身が地下の暗い部屋へ閉じ込められてしまう。 高齢者たちのお腹に、一体何が入れられていたのか。 そして、すべての真相を知った瞬間、あれほど冷酷だった主任・神崎は、その場に崩れ落ちた――。真相|介護1.8萬字5 459 -
完結第11話
11年目のコロッケ
14歳の秋、黒田み咲の母・裕子は「夕飯のおかずを買ってくるね」と言って家を出たまま、二度と戻らなかった。 父は、母が家の金を盗み、近所の男と駆け落ちしたのだと親族に告げた。置き手紙も見つかり、周囲の大人たちは皆それを信じた。残されたみ咲は、“泥棒の娘”として11年間、父と継母、そして親族たちから辱められ続けることになる。 しかしある法要の日、裏山の古い井戸から、母が消えた日に買ったコロッケのレシートと、泥にまみれたカーディガンが見つかる。 母は本当に男と逃げたのか。 なぜ、継母の失くしたはずのイヤリングが井戸の底にあったのか。 そして、11年間沈黙していた“目撃者”が現れた時、黒田家が守り続けてきた嘘は音を立てて崩れ始める。 母に捨てられた娘だと思い込まされてきたみ咲が、封印された真実へたどり着くまでの、愛と復讐の物語。ミステリー|行方不明1.6萬字5 1189 -
完結第11話
聖火と十円玉
昭和39年10月10日。東京オリンピック開会式の朝、町中が歴史的な一日に浮き立つ中、大田区の小さな町工場では、職人・佐伯正治がいつも通り旋盤の前に立っていた。 急ぎの部品6個を仕上げ、「俺が届けてくる」と自転車で工場を出た正治。取引先には確かに到着し、部品も無事に渡していた。 しかし、その後、彼は家にも工場にも戻らなかった。 妻も仲間も警察も行方を探す中、正治は4日間姿を消す。そして4日目の朝、髭を伸ばし、汚れた上着のまま、左手に包帯を巻いて工場へ戻ってきた。 彼が作業台に置いたのは、1枚の病院の領収書。 東京中が聖火を見つめていたあの日、名もなき職人はどこで何をしていたのか。 歴史には残らなかった、けれど誰かの人生を確かに支えた、昭和の小さな選択の物語。人生逆転|真相1.6萬字5 963 -
完結第10話
終電の風呂敷
昭和36年の冬、東京郊外の小さな私鉄駅に、毎晩必ず終電だけに乗る老婦人がいた。 午後11時38分。灰色の着物に黒い羽織、そして胸に抱えた紺色の風呂敷包み。彼女はいつも同じ時間に現れ、同じ行き先――工場前駅までの切符を買っていく。 昼間には一度も姿を見せず、帰りの切符も買わない。翌朝戻ってくる姿を見た者もいない。それなのに、次の夜になると、老婦人はまた何事もなかったように駅へ現れる。 若い駅員・高木修一は、次第にその風呂敷の中身と、彼女が毎晩終電に乗る理由が気になっていく。 そして小雪の降る夜、高木は初めて老婦人の後を追った。 終電の先にあったのは、眠らない工場街と、夜勤を終えて戻ってくる幼い少女たちの姿。老婦人が風呂敷をほどいた時、高木はようやく知ることになる。 彼女が毎晩運んでいたのは、ただの荷物ではなかった。 誰にも頼まれず、名前も残さず、昭和の片隅でそっと続けられていた小さな恩返し。その温もりが、時代を越えて誰かの心に受け継がれていく――。人生逆転|真相1.4萬字5 2642 -
完結第15話
灯油札の密告
2005年11月、長野県の山あいにある静かな村で、工藤家の住宅が深夜に炎に包まれた。 家の中には、父と母、そして7歳の息子。近所の人々が助け出そうと駆けつけるが、玄関には外側から鎖と南京錠が掛けられ、勝手口も角材で封じられていた。 これは事故ではない。 誰かが一家を逃げられないように閉じ込め、火を放ったのだ。 村人たちは涙ながらに犯人探しを願い、特に隣人の男は誰よりも深く悲しんでいるように見えた。だが刑事・星野は、焼け跡に残された不自然な痕跡と、その男の身体にあった小さな傷に違和感を覚える。 そして事件から数日後、町の貴金属店に持ち込まれた大量の一万円札が、捜査を大きく動かす。 その紙幣には、かすかな灯油の匂いが残っていた。 炎で消されたはずの夜に、いったい何があったのか。 そして、最後まで燃え残った“匂い”は、誰の罪を指し示していたのか――。ミステリー|遺體発見2.3萬字5 247 -
完結第10話
雪下の赤いマフラー
1998年11月12日、雪の降る旭川で、赤いマフラーを巻いた3人の女子高校生が忽然と姿を消した。 双子の美咲と南、そして親友の彩。3人は放課後の演劇部の練習を終え、いつものように学校を出たはずだった。だが、その日を境に、家族のもとへ帰ることはなかった。 捜索は続いたが、足跡も持ち物も見つからない。吹雪がすべてを消してしまったかのように、事件は未解決のまま17年の歳月が流れていく。 そして2015年。元郵便配達員の古い鞄から、17年間届けられなかった1通の手紙が見つかる。 そこには、こう書かれていた。 「私は、美咲、南、そして彩に何が起きたのか知っています」 手紙をきっかけに再び動き出す捜査。座布団の中に隠された日記、古いカセットテープ、稚内へつながる謎の手紙、そして雪深い小屋の床下に眠っていた赤いマフラー。 3人はなぜ消えたのか。 教師・田中浩は何を隠していたのか。 17年間閉ざされていた雪の中の真実が、今、静かに姿を現す。ミステリー|行方不明1.5萬字5 1097 -
完結第12話
ETCに残らない白バイ
2003年春、千葉県の高速道路を巡回していた女性白バイ隊員・水島舞が、サービスエリアで忽然と姿を消した。 監視カメラには、彼女が白バイを降りて建物へ入る姿が残されていた。だが、その18分後、白バイに乗って走り去ったのは舞ではなく、ヘルメットで顔を隠した見知らぬ男だった。 舞本人も、白バイも見つからない。料金所の記録にも、ETCログにも、その後のはっきりした足取りは残っていなかった。 結婚を控えていた婚約者、娘の帰りを待ち続ける両親、そして答えを出せないまま止まった捜査。 10年後、古い監視映像を最新技術で解析した時、画面の隅に映っていた“あるもの”が、事件を再び動かし始める。 白いバイクは、どこへ消えたのか。 そして水島舞が最後に見た人物とは――。ミステリー|行方不明1.7萬字5 5784 -
完結第11話
雪峠の五発
2006年11月15日、長野県北部。 その年最初の雪が降り始めた高木峠へ、1人の巡査が向かった。展望台に不審な車があるという匿名通報を受け、霧谷慎也は「確認だけ」のつもりでパトカーを走らせる。 だが午後6時15分、現場到着を知らせる無線を最後に、慎也からの連絡は途絶えた。 雪の展望台に残されていたのは、鍵のかかったパトカーと、車内に置かれた制帽と手袋。慎也本人だけが、吹雪の峠から忽然と姿を消していた。 事故なのか、事件なのか。誰かに連れ去られたのか。それとも、自ら山へ入ったのか。 妻と幼い娘は、答えのないまま13年を過ごすことになる。 そして2019年春。雪解けの斜面から、慎也が持っていた古い懐中電灯が見つかった。 13年間沈黙していた峠が、初めて返した小さな手がかり。 その光の先に隠されていたのは、匿名通報の本当の意味と、雪の下に封じられていた一夜の真実だった。ミステリー|行方不明1.7萬字5 1412