みかん小説
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"消えた23人の観光団" 第1話

※本作はフィクションです。登する物・団体・事件・設定はすべて創作であり、実のものとは関係ありません。

2025929、福岡の国際旅客ターミナルは朝から異様な気に包まれていた。団体観客に対するしい入国制度が始まった初で、クルーズやフェリーから次々とり、1だけで約2700が福岡へ入った。

入国審査にはきなスーツケースが並び、あちこちから国語が聞こえていた。赤や黄の旗を掲げたガイドたちは、自分たちが担当する25、30、40という団体を必にまとめ、数を確認しては次のバスへ誘導していった。

入国審査官の佐藤は、午からほとんど席をっていなかった。パスポートを受け取り、顔を確認し、必類を見て、問題がなければ入国印を押す。その作業を何百回も繰り返しているうちに、目のを通り過ぎる顔の区別さえ曖昧になっていた。

「次の方、どうぞ」

40代半ばほどの男が無言でパスポートを差しした。い髪に、目たない黒い着。観客らしい浮ついた様子はなく、写真を撮ろうとも周囲を見回そうともせず、ただ佐藤をじっと見ていた。

パスポートの名は王建民。職業欄には会社員と記されている。

「観ですね?」

男は答えず、さく頷いた。横にいたガイドが代わりに、「はい、京まで5の団体旅です」

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と説した。

佐藤は写真と本の顔をもう度見比べた。違と呼べるほどのものではなかった。ただ、旅へ来たの顔には見えないという程度の、言葉にできない印象が残った。

それでも問題はなかった。

入国印が押される。

王建民はパスポートを受け取ると、そのままの波へ消えていった。

佐藤はすぐ次の旅者を呼んだ。

その男のことをすことは、しばらくなかった。

同じ、王と同じように団体へ混ざって本へ入った者がにもいた。それぞれ別の旅会社、別の団体、別のホテルへ振り分けられ、互いにいとはえないほどれてしていた。

だが、彼らには共通するものがあった。

同型の携帯話。

客には似つかわしくない医療用袋。

型の具。

能のある特殊なバッグ。

2700という膨混みのでは、誰もそこまで注を向けなかった。

その夜、宿のビジネスホテルで28の団体を担当していたガイドの伊藤由美は、全員の部割りを終えると、ロビーの子へ腰をろした。朝から移続きで、は棒のようになっていた。

は730分集です。遅れないでくださいね」

そう伝えて各部へ戻した点で、由美は仕事が終わったとっていた。

1すぎ。

ホテル裏側の非常階段に設置された防犯カメラに、の男が映った。

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男は廊から階段へ入り、エレベーターもロビーも使わず、まっすぐ1階までりている。

迷う様子がなかった。

初めて宿泊したはずのホテルなのに、従業員用通の位置までっているようなきだった。

には黒いワゴンが待っていた。

男が乗り込むと、はライトを落としたまま静かにった。

同じ頃、横浜の別のホテルでも、の女が団体から姿を消していた。ルームメイトが眠っているに荷物の部だけを持ちし、階段から裏へ向かった。

そこにも黒いが来ていた。

翌朝、阪へ移した別の観団で、ガイドが数を数え直していた。

「……24?」

まで25いたはずだった。

「李さんを見ませんでしたか?」

だった男性へ尋ねると、彼は眠そうな顔で首を振った。

「昨夜、話を受けてていきました。戻っていません」

ガイドは迷った。

警察へ連絡するべきか。

しかし団体旅では、勝に個を取る観客も珍しくなかった。途から親戚に会いにく者、別の都へ移する者、そのまま帰国しない者までいる。

会社へ話すると、担当者はあっさり答えた。

「連絡が取れないなら、ひとまず個として処理してください。残りのお客様の予定を優先しましょう」

ガイドは釈然としないまま、24をバスへ乗せた。

それが最初のではなかった。

929から10末までの約1か本へ入った客のうち、なくともがそれぞれ異なる団体から静かに姿を消していた。

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