みかん小説
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"床下の小さな指輪" 第3話

はファイルを閉じた。

「最初からやり直す」

輩が顔をげた。

「6ですよ。どこからをつけるんですか?」

「6だからこそ、残っているものから調べる。まずだ」

が向かったのはだった。

失踪直に美優の座できなきがなかったか、確認するためだった。

古い記録を倉庫から取り寄せてもらい、田は取引履歴を1ずつ追った。

19911114

美優が消える2

300万円。

の指が止まった。

の油の嫁がかすとしては、あまりにもきい。

しかし現で引きして逃にしたわけではなかった。

だった。

受取の名義を照会すると、川町周辺でられた貸業者につながった。

さらに調べると、そのは健が作った賭博の借に関係していた。

「妻が男と逃げる2に、夫の借300万円を返しているのか」

は独り言のように呟いた。

輩刑事が資料を持ってきた。

「田さん、健についてました。1991に貸請求を受けた記録があります。額は約300万円です」

数字は致した。

美優は逃げるためにを用していたのではない。

夫の借を消すため、自分が蓄えてきたを差ししていた。

は唇を固く結んだ。

次に向かったのは川商だった。

事件現の隣にある干物へ入ると、の女主・伊藤が田に気づいて目を丸くした。

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「刑事さん。昨の騒ぎのことでしょう?」

「6のことを聞きたいんです。佐藤美優さんについて」

伊藤の顔に、わずかな緊張がった。

「覚えていますよ。あんなにしいだったもの」

「当、美優さんが男と駆け落ちしたという噂が気に広まりましたよね。最初に言い始めたのは誰です?」

伊藤はを確かめるように見た。

「佐藤さんの姑さんです。文さん」

「失踪した翌から?」

「そうです」

伊藤は声を落とした。

「ごま油とか餅とか、商に配って回ったんです。『うちの嫁が男を作って、赤ん坊を置いて逃げた』って。泣きながら言うもんだから、みんな信じてしまって」

「伊藤さん自は?」

「私は……変だとっていました」

伊藤は包丁を置いた。

「あのお嫁さん、そんな暇があるようなじゃなかったですよ。夜けから油を搾って、赤ちゃんを背負って配達して、が閉まってから事でしょう。男と会うなんて、どこにあったんだか」

帳へき込んだ。

「では、なぜ警察にそう話さなかったんです?」

伊藤は苦い顔をした。

のことだからですよ。それに文さんへ逆らうのは、みんな怖かった」

その、田は餅、青果などを回った。

証言は驚くほど似ていた。

美優は働き者だった。

姑には厳しく扱われていた。

赤ん坊のヒロトをとてもがっていた。

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駆け落ちしたと聞いても、の底では信じられなかった。

それでも誰も声をげなかった。

「誰もが違を持っていたのに、誰も確認しなかった」

が傾いた頃、田は商の古い喫茶へ入った。

主の女性は、佐藤健の名した途端に線をそらした。

「健さんは、美優さんがいなくなった翌から、ここへよく来ていたそうですね」

「ええ……」

「どのくらい?」

「ほとんど毎です」

「妻がなのに?」

主は黙った。

「何をしていたんです?」

「コーヒーをんで、煙を吸って……昼からずっと」

の目が細くなった。

本当に妻がらない男と消え、幼い息子まで置きりにされたのなら、夫は必で探すのではないか。

なくとも、何も喫茶を潰している余裕があるとは考えにくい。

しかも母親の文は、嫁が消えた翌から商へ贈り物を配り、駆け落ちの噂を定着させていた。

あまりにもい。

族は美優の帰りを待つから、美優が「戻らない」であるかのように振るっていた。

署へ戻るで、田はハンドルを握りしめた。

6、自分たちは美優を探さなかっただけではない。

美優を捨てた母親として処理し、その名誉まで奪う助けをしてしまった。

「今度は違えない」

誰もいない内で、田はそう言った。

、田は美優の遺骨に関する鑑定結果を受け取った。

部には、に受けたと考えられるい打撃の痕跡があった。

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