"不機嫌夫の末路" 第7話
しばらくっていたあと、をいた。
「今の飯は?」
私はから目をげなかった。
聞こえていないように何も答えなかった。
臓はし速くなっていた。
今までが私にしてきたことを、そのまましている。
子どもじみているかもしれない。
健全な方法ではないかもしれない。
それでも私は、の嫌を直すためにく自分を度止めたかった。
は数秒待っていた。
やがて何も言わずリビングをていった。
数、とうとう声を荒げた。
「おい」
私はひなのを畳んでいた。
「いつまでこれ続けるんだよ」
を止めなかった。
シャツを畳み、ズボンのへねる。
「聞いてる?」
返事をしなかった。
の息遣いがし荒くなった。
けれど、それ以は言わず部へ戻っていった。
そのから、の様子がらかに変わった。
朝、リビングで所なさげにっている。
私がキッチンから洗面所へ移すると、線だけがついてくる。
何か言いたそうにしているのに、自分からは言えない。
その姿を見た、私は気づいた。
今までの私も、こうだった。
が黙ると、その顔を見る。
今なら話しかけても丈夫か。
まだっているか。
何を言えば返事をしてくれるか。
私はいつも、の反応を待っていた。
今、が同じことをしている。
そのことに気づいているのかどうかは分からなかった。
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ただ私は、目ので困っている夫を見ても、以のように「かわいそうだから私から話しかけよう」とはわなかった。
そんな自分に、し驚いた。
ところが、は別の方向へき始めた。
私に話しかけても反応がない。
すると今度は、ひなへ積極にづくようになった。
「ひな、パパとご飯べよう」
突然、優しい声をした。
「週末どっかく? どこきたい?」
ひなは戸惑った顔をしていた。
しまで、自分が話しかけても目をわせてもらえなかった。
絵を見せても「で」と言われた。
膝に乗ろうとしたら避けられた。
そのが急に笑顔で話しかけてくる。
4歳でも、その違は分かるのだとう。
「ひな?」
がもう度呼んだ。
「パパの話、聞いてる?」
ひなはし俯いた。
そして、さな声で言った。
「パパとは、お話ししない」
の顔が止まった。
「なんでだよ」
ひなは答えなかった。
はし焦ったように続けた。
「パパだぞ?」
ひなは子からり、私のそばへ来た。
そしての裾をぎゅっと握った。
その様子を見たの線が、私へ向いた。
「お……」
声がくなった。
「子ども使うなんて卑怯だろ」
私は眉を寄せた。
「何?」
「ひなにそう言わせてんのか?」
答えようとしただった。
私より先に、ひながをいた。
「パパと同じことやろうって考えたの、ひなだよ」
はかなかった。
ひなは私のを握ったまま、父親を見ていた。
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「パパ、ママとお話ししなかったでしょ」
の顔から表が消えた。
「ひなとも、お話ししなかった」
子どもの言葉は単純だった。
難しい説もない。
モラハラもフキハラもらない。
ただ自分がされたことを、同じように返そうとった。
それだけだった。
だからこそ、には何も言えなかった。
4歳の娘が、自分のしてきた無をそのまま真似している。
誰かが教えたわけではない。
毎見て、じて、自分なりに理解した結果だった。
い沈黙が続いた。
はったまま、ひなを見ていた。
ひなはやがて興を失ったように、私の隣でおもちゃを触り始めた。
しばらくして、がようやくをいた。
「……悪かった」
私はその言葉を聞いて、度は受け止めてみようとった。
ずっと欲しかった言葉だったからだ。
「何が悪かったの?」
そう聞いた。
はすぐ答えなかった。
「何って……」
線を逸らした。
「全部」
「全部って何?」
「だから、とにかく悪かった」
胸のにたいものが広がった。
私はを見た。
「も同じだったよ」
「何が?」
「テーマパークのも、カレーのも。あなたは度も謝らなかった」
の顔が曇った。
私は続けた。
「私が謝ったら、あなたが勝に嫌を戻して終わりだった」
「もう謝ってるだろ」
「今回だけ謝ればいいって話じゃない」
私は自分でも驚くほど落ち着いていた。
鳴りたいわけではなかった。
責めて勝ちたいわけでもない。
ただ、自分が何もじてきたことを初めて言葉にしていた。
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