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"赤身を笑った女の末路" 第12話

「好きなものなんだから仕方ないでしょう」

私は笑った。

15なら、赤やかっぱ巻きをべている自分を「貧乏臭い」と笑われたら、もっと腹をてていたかもしれない。

でも今なら分かる。

トロをべることが幸せなは、トロをべればいい。

かっぱ巻きが好きなら、かっぱ巻きをべればいい。

公務員になることが幸せなもいる。

会社員が向いているもいる。

自分で会社を作りたいもいる。

専業主婦になりたいもいれば、働き続けたいもいる。

幸せは、誰かに勝ったに入るものではない。

から羨ましがられるために選ぶものでもない。

の頃の私は、そのことをうまく言葉にできなかった。

ただ、子に何を自されても「へえ、よかったね」としかわなかった。

今なら理由が分かる。

最初から私は、子と競争していなかったのだ。

子だけが、ずっと私と競争していた。

彼氏。

学歴。

結婚。

夫。

子供。

仕事。

15、勝ったり負けたりしているつもりだった。

けれど私は、その競争に参加した覚えがない。

私はただ、自分が好きなを選んできただけだ。

が好きだったから専った。

仕事が好きだったから現で学んだ。

娘を守りたかったから会社を作った。

失敗しても続けた。

気づけば、それが今の私のになっていた。

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「ママ」

由美が私を呼んだ。

「何?」

「こののお寿司、本当に嬉しかった?」

私はし驚いた。

「初任でご馳してくれたのこと?」

「うん。もっとちゃんとしたの方がよかったかなって、あとからちょっとって」

私は雑誌を閉じた。

「何言ってるの」

「だって社だし」

「関係ないでしょう」

由美の隣へ座った。

「あの、ものすごく嬉しかったわよ」

「本当に?」

「あなたが初めて自分で働いて稼いだおで、私にご馳してくれたのよ。どんなより嬉しいに決まってるでしょう」

由美し照れたように笑った。

「そっか」

「それに私は赤が好きなんだから」

「結局そこ?」

「そこも事」

2で笑った。

好きなと。

好きなものを。

誰かと比べることなく、笑いながらべる。

私にとって幸せとは、分こういうなのだ。

豪華である必はない。

に見せる必もない。

誰かから羨ましがられる必もない。

15の私は、自分が幸せになれるのか分からなかった。

夫を失い、庭を失い、幼い娘を抱えて、さなマンションでしい活を始めた。

あのの私へ今の姿を見せられるなら、きっとこう言う。

丈夫。

あなたはこれから何度も失敗する。

眠れない夜もある。

悔しくて泣くこともある。

でも、あなたが守ろうとした娘は派に育つ。

そしていつか初任で、あなたにお寿司をご馳してくれる。

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その、15にあなたを見し、夫まで奪った女と偶然会うことになる。

は昔と何も変わっていない。

けれど、その姿を見ても、もうあなたのはほとんど揺れない。

なぜならその頃には、あなたはもう、自分のが幸せだとっているから。

「ねえママ。次いつく?」

由美がスマートフォンでを探し始めた。

「来週あたり?」

「予約する?」

「回転寿司でしょう?」

「でもだよ」

「じゃあお願い」

解」

由美は楽しそうに画面を操作した。

私はその横顔を眺めながらった。

子が今どこで、何をしているのかはらない。

これから彼女が変わるのか、それともずっと同じなのかも分からない。

もう確かめるつもりもない。

それは子自だからだ。

私が切にするのは、私の

そして私の隣で笑っているたち。

それでいい。

「ママ、予約取れたよ」

「ありがとう」

「今度はトロも1皿くらいべなよ」

「いらない」

「じゃあウニ」

「苦

エビ」

「それもいい」

「本当にがりだなあ」

由美が笑う。

私も笑った。

「好きなと、好きなものを笑いながらべるのが番幸せなのよ」

「はいはい」

娘は呆れたように言った。

それでも、その顔は嬉しそうだった。

だから今の私は、胸を張って言える。

誰かよりだから幸せなのではない。

何かを持っているから幸せなのでもない。

切なと笑える毎を、自分で選んできている。

それだけで、私は分幸せだ。

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