みかん小説
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"11年目のコロッケ" 第11話

らしのいい丘のにある霊園だった。

には母の本当の名――條裕子の名が刻まれていた。

私はピンクのカーネーションを供えた。

「お母さん、こんにちは」

が柔らかかった。

「今ね、私が担当していた事件が終わったの」

胸ポケットからの万を取りした。

今の私は弁護士として仕事を続けている。

條グループの法務にも関わりながら、経済に困っているや、族から当な扱いを受けているの相談にもできる限り応じている。

母のにあった言葉。

『暗い所で泣いている誰かがいたら、そのを引いてあげてください』

その言葉を忘れないようにしている。

から声がした。

「お嬢様、そろそろおです」

振り返ると佐藤さんがいた。

その隣には子の條老もいる。

佐藤さんはもう政婦としてげる活をしていない。

私たちは今、族にい関係で暮らしている。

さんとも連絡を取っている。

11逃げ続けた彼も、ようやく名を隠さず活できるようになった。

「うん。今きます」

私はもう度、母の墓を見た。

11

「夕飯のおかずを買ってくるね」

あの言葉は、私にとって悪だった。

母が消えた瞬

私のが壊れた瞬

そうっていた。

でも今は違う。

母は本当に夕飯を買った。

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そしてへ帰ってきた。

帰ってこようとしてくれた。

まで私との約束を忘れていなかった。

だから、もうあの言葉をしても、胸のに残るのは絶望だけではない。

「お母さん」

私は墓へ微笑んだ。

「私、今はちゃんと幸せだよ」

丘のが吹き抜けた。

頬を撫でるそのに、昔母が髪を撫でてくれた触をした。

私は目を閉じた。

してるよ、み咲。何があってもね』

11の声が、今でも聞こえる。

私は万を胸ポケットへ戻した。

そして條老と佐藤さんが待つ方へ歩きした。

もう復讐のためではない。

父や京子を憎み続けるためでもない。

母が望んだように、自分自きるために。

あの、夕飯を買いにた母は度との玄関をけることができなかった。

けれど、母が私へ残したは消えなかった。

11、嘘と恐怖に覆われて見えなくなっていただけだった。

その真実を取り戻した今、私はようやく14歳のあのから歩先へむことができる。

青い空の、私は振り返らなかった。

ただを向き、ゆっくりと、そして確かな取りで歩いていった。

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