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"11年目のコロッケ" 第10話

父は反論する気力すら失っていた。

親族たちも次々に座敷からていった。

まで私を罵倒していた叔父たちは、誰も私の目を見ることができなかった。

には自分たちのや税の問題を配している者もいた。

私は何も言わなかった。

今さら謝罪してほしいともわなかった。

彼らが11何を言い、何を信じ、どちら側にったか。

その事実は消えない。

父と京子が玄関へ連れていかれる。

京子が最に振り返った。

「み咲! 全部あんたのせいよ!」

私は静かに答えた。

を壊し続けた結果です」

京子の顔が歪んだ。

「暗い所で、自分が何をしてきたのか考えてください」

彼女の叫び声は玄関の向こうへ消えた。

パトカーの音がざかる。

ようやくが静かになった。

その條老が私を呼んだ。

「み咲」

振り返る。

さな桐箱を持っていた。

「裕子から預かっていたものがある」

私は目を見いた。

「お母さんから?」

「ああ。全ての真実がらかになり、おが自分ので健と向きったに渡してくれ、と」

私は震えるで箱を受け取った。

にはい封筒と、さなベルベットの箱が入っていた。

最初にベルベットの箱をけた。

の万が入っていた。

軸には文字が刻まれている。

『黒田み咲 弁護士』

息が止まった。

「裕子が職に頼んで作らせた」

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條老が話した。

「自分に何かあっても、いつかおが司法のむと信じていた」

11

母は自分がぬかもしれないとっていた。

それでも未来の私のために、万を用していた。

私は封筒をけた。

母の文字だった。

するみ咲へ』

最初の1だけで、涙が溢れた。

『このを読んでいるということは、私はもうあなたを抱きしめてあげられない所にいて、あなたは自分ので真実へ辿り着いたなのでしょうね』

私はを握りしめた。

『ごめんなさい。あなたを1であのに残してしまって』

『お母さんがいなくなってから、どれほど怖いいをしたか、どれほど寂しかったか。像するだけで胸が苦しくなります』

文字が滲んだ。

『でも、お母さんはずっと信じていました』

『み咲なら、どんな絶望のでもがる』

『あなたは私がこの世にきた証であり、誇りです』

そこから先は、何度も読み返さなければめなかった。

『あなたは今まで、お母さんのために戦ってきたのかもしれません』

『でも、もう分です』

『もう戦わなくていいのよ』

『これからはを憎むためではなく、自分のためにきてください』

『暗い所で泣いている誰かがいたら、そのを引いてあげてください』

かれていた言葉。

まれてきてくれてありがとう』

『ずっとしているよ。

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何があってもね』

私はそのに崩れた。

「お母さん……」

11、泣かないと決めていた。

で殴られても。

京子に罵られても。

父にを壊されても。

泣けば負けるとっていた。

だからを殺し、沈黙を鎧にしてきてきた。

その鎧が、母のを読んだ瞬に壊れた。

「お母さん……!」

私は子供のように声をげて泣いた。

條老子からを乗りし、私のを撫でた。

「よく頑張った」

佐藤さんも泣いていた。

さんは目を押さえた。

黒田刑事も静かに線を落としていた。

11溜め込んだしみとりが、涙になって流れ続けた。

その、私は初めて復讐ではなく、母を失った娘として泣くことができた。

それから1が過ぎた。

父の健、京子、そして夫は、それぞれの関与について起訴された。

父の会社でわれていた正資の処理や保険を巡る事件、母のに関する事実、そして京子を狙った計画も法廷で審理された。

あので隠され続けてきたものは、しずつ公の記録へ変わっていった。

父が誇っていた会社も、以の形では残らなかった。

正に関係する資産は調べられ、黒田の名声をにしていた親族たちも、それぞれ自分のと向きわざるを得なくなった。

古いもやがて取り壊された。

桜のもなくなった。

母が11眠っていた庭は更になり、私が閉じ込められていたも消えた。

ある

私は母の墓を訪れた。

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