"11年目のコロッケ" 第5話
さらに私は、父が言う数億円の借そのものにも疑問があることを突きつけた。
会社の負債として見せかけている資の部は、実際には父自が流しただった。
「あなたは会社の資を横領し、複数の名義へ移していましたね」
父は黙った。
「今朝、警察と関係関が会社へ入っています。京子さん名義の隠し座を含め、資の流れも調べられています」
京子が鳴をげた。
「私の座まで?」
「当然です」
「待て!」
父が私へにじり寄った。
「昔の横領はいい。だが効だろう。11のことだぞ」
私は首を横に振った。
「あなた、昨も送していますよね」
父の呼吸が止まった。
京子名義の座への資移。
正な資処理が過で終わったのではなく、現まで続いていることを私は調べていた。
父はようやく、自分の会社の内部に私が入り込んでいたを理解し始めたようだった。
「私が事務員として働いていたのは、あなたの会社の内部資料を見るためです」
「お……最初から……」
「ええ」
私は頷いた。
「14歳から、ずっとです」
父は膝から崩れた。
しかし、まだ最の逃げが残っているとったらしい。
「それでも殺は別だ!」
急にちがり、血った目で叫んだ。
「裕子の体はない! 遺体がなければ、おらは俺を殺犯にはできない!」
私は父の目のまで歩いた。
「あれ?」
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声を落とした。
「誰が、遺体が見つかっていないと言いました?」
父の表が止まった。
私は縁側の向こうへ目を向けた。
庭の央に、きな桜のがあった。
母が失踪した翌、父と京子が「再婚の記だ」と言って業者に植えさせただった。
「田さんの話を途で遮りましたよね」
私は言った。
「田さんが本当に言おうとしていたのは、母を井戸へ捨てた、ではありません」
全員の線が桜へ向いた。
「お父さん。11、わざわざ庭の真んへ植えたあの桜の」
私はまっすぐ指を伸ばした。
「そのに、何を埋めたんですか?」
父の喉から、声にならない音が漏れた。
「違う……」
ズボンの膝が震えている。
「ただの記だ。師に言われたんだ。運気ががるって……」
その、庭のからいエンジン音が響いた。
戸がき、作業姿の男たちと型のショベルカーが入ってきた。
「何をする! 法侵入だ!」
父が叫んだ。
黒田刑事のろにいた捜査員が、類を掲げた。
「捜索令状と発掘の許は取得済みです」
父がそのへ座り込んだ。
「昨夜、探査をいました」
黒田刑事が静かに続ける。
「桜のの根元から約2メートル。骨の能性がある反応と、属製の箱らしきものが確認されています」
京子がを抱えた。
「嫌……」
そして次の瞬、叫んだ。
「私じゃない! 健さんがやったのよ! 裕子さんを殴ったのは健さんよ!」
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父が京子へびかかった。
「ふざけるな! おが『裕子が邪魔だ』って言ったんだろうが!」
2は畳ので掴みった。
さっきまでこのの絶対な主と女主だった2が、互いに罪をなすりつけながら罵りっている。
親族たちは完全に混乱していた。
「俺たちの資はどうなる!」
「黒田の名誉は!」
「み咲、お弁護士なら何とかしろ!」
私は彼らをたく見た。
「何とかする?」
呼吸置いた。
「11、父ので利益を得ながら、母を棒と呼び続けた皆さんのことも調べています」
親族の顔が張った。
「税務の問題がある方については、順番に確認が入るでしょう」
誰も声をせなくなった。
庭ではショベルカーがを掘り返していた。
そしてしばらくして、作業員の声が響いた。
「ました!」
私はちがった。
11。
ずっと待ち続けた瞬だった。
桜の根元から引きげられたものを見た、私は息ができなくなった。
にまみれたブルーシート。
そのから、の骨が確認された。
そして骨のそばには、錆びた属製の箱があった。
「慎に」
黒田刑事の指示で、鑑識員たちは周囲を確認しながら作業をめた。
私は縁側にち、拳を握った。
お母さん。
ようやく会えた。
涙が頬を伝った。
「遅くなってごめんね」
声にすと、11胸ので固まっていたものがしだけ崩れた。
しかし、事件はまだ終わっていなかった。
属箱の鍵がけられた。
には防処理された類や写真、そして赤黒い汚れが付着したいブロンズ製のペーパーウェイトが入っていた。
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