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"消された妻の逆転乾杯" 第7話

温度補正が必になる理由は何ですか。そして規格へ追加した全条件は、何を防ぐためのものですか」

孝志はつも答えられなかった。

周囲からさなどよめきが起こり、リナまでそうに孝志の顔を見始めた。孝志は次第に声を荒らげ、「発部の仕事まで役員が全部覚えている必はない」「妻が夫へ恥をかかせるな」と私へ鳴った。

黒川が机をく叩いた。

「恥をかかせたのは美さんではない。らない技術を自分の功績として17語り続けた、君自だ」

は完全に静まり返った。

スクリーンに次に映しされたのは、17部技術顧問契約だった。続いて辞退が表示され、跡調査の結果、私の署名を孝志が真似た能性がいという社内調査の報告が読みげられた。孝志は「庭内で代理署名しただけだ」と主張したが、黒川は会社の正式な契約であり、庭内の問題では済まないと切り捨てた。

さらに経費記録が表示された。

ホテル、温泉旅館、宝。取引先との会や贈答として処理された支に、実際には孝志とリナの私な旅や贈り物へ使われたものが複数含まれていた。調査対象となった額は計で1000万円を超えており、リナがにつけていた宝と購入記録の照も済んでいた。

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「私は何もりません!」

リナが突然がった。今まで孝志の腕へ寄り添っていた女性が、今度は触れられることさえ嫌うようにれた。「全部、佐さんが勝にやったことです」と言ったが、黒川は彼女自が作成した架空の取材報告や接待記録も会社に残っていると告げた。

「孝志さん、役員になれるって言ったじゃない。だから私、ずっと――」

「リナ、今は黙っていろ」

「役員にもなれないなら、私が緒にいるなんてないわ」

その言葉が、35の結婚活よりも鮮やかに孝志の顔を変えた。リナは彼の腕を振り払い、周囲の線も気にせずへ向かった。数分まで「妻」と紹介した女性から、肩きが消えた瞬に見捨てられたのだ。

黒川は最に、孝志の執役員就任を正式に撤回し、本付で職務止とすることを告げた。功績の虚偽申告、契約への無断署名、経費の正使用については懲戒委員会へ付し、必に応じて法措置も検討すると説した。祝いのために集まった会で、祝われるはずの本だけが、誰からも目をわせてもらえなくなった。

孝志は子へ座り込んだまま、しばらくかなかった。

私はその姿を見ても、っていたほど爽にはならなかった。35緒に暮らした男が崩れていく景は、どれほど裏切られても簡単に「ざまあみろ」

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と笑えるものではなかった。ただ、彼が失ったものの半は、誰かに奪われたのではなく、自分でつずつ壊してきたものだとった。

宴会、黒川は私のところへ来てげた。

「会社として、もっとく確認すべきでした。あなたの技術が正しく記録されていなかったことについて、正式に訂正します」

「ありがとうございます」

「佐君の処分とは別に、ライフサインの発記録へあなたの名を戻したいとっています。能なら、改めて技術顧問として――」

私はすぐには返事をしなかった。

17なら、その言葉を聞いただけでんでいたかもしれない。しかし今は、誰かが与えてくれる肩きへびつくに、自分が何をしたいのかを自分で決めたかった。

ホテルをると、夜たかった。私は祝賀会でもらった記品の袋を持ち直し、駅までで歩いた。夫と緒に帰らない夜は、結婚して以来初めてだったかもしれない。

けれど、議と寂しくはなかった。

翌朝、玄関のチャイムが何度も鳴った。ドアをけると、夜ホテルへ残ったはずの孝志がっており、ネクタイは緩み、顔にはほとんど眠っていない疲れがていた。彼はへ入るなり「美、話を聞いてくれ」とげた。

「全部リナにそそのかされたんだ。あいつが役員になったら夫婦のように振るった方が取引先の印象がいいと言ってきて、それで俺もおかしくなっていた」

「会社のおを使ったのも、私の署名を真似たのも、リナさんに言われたから?」

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