みかん小説
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"5枚で消された妻" 第9話

渡辺は驚いた。

すでにホテル自体がなくなっている。

「この女性を覚えていますか?」

佐藤は美幸の写真をした。

若い頃の写真。

し緊張したように笑っている。

渡辺は写真を見つめた。

「……覚えてます」

佐藤の体がわずかにいた。

違いありませんか?」

「このです。翌朝くなっていた女性ですよね」

「そののことを、できるだけしてください」

渡辺はゆっくり話し始めた。

美幸は午6過ぎ、でホテルへ来た。

さなバッグしか持っていなかった。

だが、そのの男性が来ていた。

「何頃です?」

「午4だったといます」

「何をしました?」

「部を取りました」

男は現を借りた。

しかし部がって数分でりてきた。

「すぐへ?」

「そうです」

「戻ってきましたか?」

「そこが……」

渡辺は目を細めた。

「私は交代もあったので、正確には覚えていません。でも、その男が部を取ったことと、から来た女性がその部ったことは覚えています」

佐藤は現の健の写真をした。

「この男ですか?」

渡辺は写真をづけた。

12

の顔は変わる。

髪型も変わる。

も取る。

「絶対とは言えません」

渡辺は慎に答えた。

「でも……目元は似ています」

「目元?」

たいじの目でした」

帰り

佐藤は脇へめた。

ハンドルへ両を置いたまま、しばらくを見つめた。

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は先にホテルへっていた。

美幸はそのに来た。

美幸が自ら所として偶然あのホテルを選んだという説は、ますます自然になる。

彼女はホテルへ誘導された。

しかも部まで事に決められていた。

それでも、あとりなかった。

薬。

なぜ美幸の体内には、現にあった薬だけでは説しにくい濃度の成分が残っていたのか。

採取された血液試料の部が、期保されていることが分かった。

佐藤は科学捜査研究所へ再鑑定を依頼した。

12にはできなかった分析。

は3週かかった。

結果を待つ、佐藤はほとんど毎、事件ファイルを読み直した。

当初5枚しかなかった資料は、すでに何枚にも増えていた。

命保険。

婚調

島の証言。

渡辺の証言。

薬の数量。

と違法薬物関係者の接点。

すべてが同じ方向を指している。

3週

再鑑定結果が届いた。

佐藤は封筒をき、報告へ目を落とした。

最初の数を読んだところで、呼吸が止まった。

血液試料から、販の眠薬には含まれていない別の薬剤成分が検されていた。

医師の処方などがなければ通常入できない種類だった。

「やっぱり……」

佐藤は子を引いた。

これで、美幸が薬局で買った販薬だけを量にんだという説は崩れた。

誰かが別の薬を持ち込んだ能性がい。

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20068

警察はへ任を求めた。

取り調べ

が効きすぎた内。

はパイプ子へ座り、佐藤を真っ直ぐ見ていた。

12、真面目な主としてきた男。

落ち着いていた。

「1994412の奥さんと会いましたか?」

「会っていません」

島さんという方が、あなたを見ています」

「勘違いでしょう」

「ホテルへきましたか?」

っていません」

「元従業員が、あなたに似た男が先に部を取ったと証言しています」

「12の顔なんて覚えているわけがないでしょう」

「薬は?」

「何のことです?」

販薬とは別の成分が、美幸さんの血液から見つかっています」

の顔は変わらなかった。

「妻がどこかでに入れたんじゃないですか」

「あなたは19942、違法薬物を扱う田という男と銭のやり取りをしていますね」

瞬だけ。

の目がいた。

しかしすぐに戻った。

りません」

「帳簿に名があります」

「同姓同名じゃないですか」

約1

は否定を続けた。

汗もかかない。

声も乱れない。

まるで12、同じ答えを何度もで練習してきたようだった。

取り調べ

署をていく健の背を見ながら、佐藤はさく呟いた。

「こいつ……自分の嘘を、本当だとってる」

その夜。

は普段通りへ帰った。

奈が夕を用していた。

「警察、何だったの?」

はテレビを見たまま答えた。

「昔のことだ」

の奥さん?」

「すぐ片づく」

「でも……」

「おは関係ない」

声がくなった。

奈はそこで言葉を止めた。

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