"5枚で消された妻" 第7話
よし子は首を振った。
「母親がかなくてどうするの」
それからは、浩司がで送った。
寺へ着く。
よし子は墓に座り、いをわせる。
何を話しているのか、浩司は聞かなかった。
帰り。
助席のよし子はほとんど何も話さない。
窓ののや田畑を見つめるだけだった。
ある。
よし子がぽつりと言った。
「あのは、今頃幸せに暮らしているんだろうか」
浩司はハンドルを握るに力を入れた。
「……分からない」
本当は、考えたくもなかった。
妹がたいホテルの部でくなった方で、その夫がどこかで笑っている。
しい妻。
しい子供。
しい。
もしそうなら、あまりにも理尽だった。
は事件の痕跡をしずつ消していった。
美幸がくなったビジネスホテルは1999に取り壊された。
跡には別の施設が建った。
佐々弁護士の事務所も2001に閉鎖された。
保管期限を過ぎた民事関係の資料のくは処分された。
眠薬を販売した薬局もを畳んだ。
最にアパートくで美幸を見た伊藤も町をれた。
うどんの女将・田はを続けていたが、毎何もの客を相にするで、12のの女性の記憶はしずつれていった。
そして警察署の資料庫。
ほとんど誰にも触れられない棚のに、あの事件の記録が残されていた。
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5枚。
いの束。
「美幸事案」
自。
事件性なし。
それだけだった。
もし誰もそのを再びかなければ、真実はそのまま埋もれていた。
2006。
野県警捜査第課。
の刑事が、全く別の事件を調べていた。
佐藤啓介。
連追っていたのは、県内で違法薬物を流通させる組織だった。
末端の売。
資の流れ。
過の取引。
押収した古い帳簿を、何冊も読み込む々が続いていた。
夜。
机のにはめたコーヒー。
皿。
何百枚ものコピー。
佐藤は赤くなった目を擦りながら、1枚ずつページをめくっていた。
ペラ。
ペラ。
同じような名と額の列。
指が止まった。
健。
取引――19942。
麻薬組織の本筋とは直接関係のなさそうな、さな個取引だった。
佐藤は名をので繰り返した。
「健……」
パソコンで照会する。
科なし。
きな犯罪歴なし。
県内の町で物を経営。
既婚。
子供あり。
ごく普通の民。
「何だ……」
画面を閉じかけただった。
過の族報の欄に、が表示された。
19944。
妻、美幸。
眠薬過剰摂取。
自。
佐藤の指が止まった。
2。
違法な薬を扱う物との取引。
4。
妻が眠薬の量摂取で。
「……偶然か?」
佐藤は子へく座り直した。
刑事をしていると、論理では説できないさな違を覚える瞬がある。
ただの付。
ただの名。
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しかし何かが引っかかる。
佐藤は翌朝、12の事件記録を取り寄せる続きを取った。
2。
机のへ茶い封筒が置かれた。
佐藤はを取りした。
そしてわず眉を寄せた。
「……これだけ?」
A4用、5枚。
12、の女性がくなった事件のすべてだった。
佐藤は5枚の記録を最初から読んだ。
読み終える。
もう度読む。
そして3度目。
読むたびに、表が険しくなっていった。
「何を調べたんだ、これ」
美幸がホテルへった交通段。
なし。
夫のアリバイ。
なし。
薬の購入所。
ほぼ確認なし。
婚調の詳しい事。
記載なし。
命保険。
記載なし。
佐藤は机を指で叩いた。
殺だと決めつけるつもりはなかった。
自だった能性もある。
だがなくとも、自だと判断するために必な裏づけさえ取られていない。
結論が先にあり、必な報だけがそこへ並べられていた。
さらに調べると、健がの2かに美幸へ5000万円の命保険をかけていたことが判した。
佐藤はメモ帳へ系列をき始めた。
19942。
婚調申して。
同期に5000万円の命保険。
違法薬物関係者との銭取引。
412。
妻失踪。
413。
ホテルで。
その。
保険請求。
「こんな順番が……」
佐藤はペンを置いた。
偶然で説するには、あまりにも来すぎていた。
まず、当の担当刑事へ連絡した。
林という元刑事はすでに定退職し、県で暮らしていた。
話越しの声は、最初こそ穏やかだった。
「12の美幸さんの件について伺いたいんですが」
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