"ガジュマルの根が暴いた夜" 第10話
利用した者たちへのみ。
そしてに対する、遅すぎる罪悪。
それらが混ざっていた。
「ちゃんの顔が」
吉田は目を閉じた。
「眠ろうとすると、あの子の顔がてくる」
恵美は何も言わなかった。
吉田は枕のへを入れた。
をかけて、さな黒い帳を取りした。
「これを」
恵美が受け取る。
古びた帳だった。
には名はほとんどかれていない。
アルファベットや数字のコード。
付。
額。
座らしい番号。
「私が自分を守るために残していた」
「証拠ですか」
「全部ではない。でも、たどれば何かる」
吉田は息をえた。
「最の切り札のつもりだった」
「なぜ私に渡すんです」
「もう私には必ない」
吉田は恵美を見た。
「私はあいつらには勝てない」
々しい声だった。
「でも、あなたなら……」
そこで言葉が途切れた。
しばらく休んだ、吉田はもう度目をいた。
「田刑事」
「はい」
「のことだけは……終わらせてください」
「終わらせます」
「3を、族のところへ返してやってください」
恵美は帳を握った。
「それはあなたに言われなくてもします」
吉田はさく笑った。
それから数、容体はさらに悪化した。
裁判が始まるに、吉田は病院でくなった。
刑事責任を正式な法廷で問うことはできなかった。
しかし彼が殺害を指示した事実は、龍、虎、田の供述や残された証拠によってらかになった。
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実役の龍と虎には厳しい判決がされた。
2は残りのの半を刑務所で過ごすことになった。
田も、遺体の隠匿に関わった責任を免れることはできなかった。
ただし自発に真相を語り、遺体を焼却せず尊厳を守ったこと、証拠を15保管し、事件解決へきく協力した事が考慮された。
田は法廷で何度もをげた。
「申し訳ありませんでした」
の親族へ向けた言葉だった。
だが誰も、簡単に「許す」とは言わなかった。
15というは、い謝罪だけで埋められるものではない。
それでも真実はた。
健たちはしたのではなかった。
族を捨てたのでもなかった。
3は最まで緒にいた。
そして、ようやく故郷へ帰ることができた。
事件がきくいてから1か。
3のための法が、遺骨の見つかった古寺で営まれた。
そのは観客もほとんどいなかった。
本堂には線のりが漂い、静かな読経の声だけがく響いていた。
の親族が方から集まった。
15にはまだ若かった々も、今では髪にいものが混じっている。
健の叔母にあたる女性は、3つ並べられた骨壺を見た瞬、元を押さえた。
「本当に……帰ってきたんだね」
誰かが静かに背へを添えた。
15。
きているのか。
くなっているのか。
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どこにいるのか。
それさえ分からなかった。
苦しかったのは、そのものだけではなかった。
何も分からないことだった。
待つべきなのか。
諦めるべきなのか。
誕を祝っていいのか。
命として祈るさえ分からない。
その宙ぶらりんのが、ようやく終わった。
田恵美も参列していた。
制ではなく、な私だった。
このは捜査官としてではなく、3を見送る1として来ていた。
混みのろに、田の姿もあった。
に会ったより、しだけ表が穏やかになっているように見えた。
田は誰とも話さず、いをわせていた。
のワンピースへ梅のを縫った男。
法律、全く責任がなかったわけではない。
けれど彼があの夜、焼却炉のスイッチを押していれば、3は永に見つからなかった能性がい。
遺骨も。
フィルムも。
ボタンも。
何も残らなかった。
15の真相へつながるものを守ったのは、田の最の良だった。
法が終わると、健の叔母が恵美のところへ来た。
「田刑事さんですね」
「はい」
女性は恵美のを両で握った。
「本当に、ありがとうございました」
「私は仕事をしただけです」
「それでもです」
老婆の目に涙が浮かんだ。
「このまま私たちもぬまで、あの子たちがどこへったか分からないとっていました」
声が震える。
「つらいですよ。真実をってもつらい。でも……どこにいるか分かった」
恵美は黙って聞いた。
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