"ガジュマルの根が暴いた夜" 第3話
「もしもし?」
返事はない。
相は数秒黙った、切る。
ある夜、健はカーテンの隙からを見た。
黒いがの反対側にまっていた。
運転席にがある。
健がへようとした瞬、は発し、そのままりった。
その週末。
を寝かしつけた、健は美玲を居へ呼んだ。
いつになく真剣な顔だった。
「美玲」
「どうしたの?」
健は妻のを握った。
「会社で、し問題を見つけた」
美玲の顔から笑みが消えた。
「危険なことなの?」
健はしばらく答えなかった。
そしてゆっくり頷いた。
「警察本部にいる昔の同級へ連絡した。来週、会う約束をしている」
「警察に?」
「まだ詳しいことは言えない。でも、黙っていていい内容じゃない」
美玲は夫のを握り返した。
「私とは丈夫?」
健は迷いを隠すように頷いた。
「僕が守る」
「本当に?」
「必ず」
それが夫婦にとって、最のい会話になった。
健は正しいことをしようとしていた。
だが彼はらなかった。
自分が見つけた数字の先にあるは、像していたよりはるかにく、すでに族3をみ込むほどくまで迫っていた。
が姿を消したのは、その数だった。
曜の朝、朝建設では健が勤してこないことが話題になった。
無断欠勤をするような社員ではなかった。
司が自宅へ話しても、誰もない。
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昼を過ぎても連絡はなかった。
同じ頃、美玲と約束していた所のも審にっていた。午に緒に買い物へく話になっていたが、美玲は現れず、話もつながらなかったからだ。
夕方になり、親族がを訪れた。
玄関には鍵がかかっていた。
警察ち会いのもとで内が確認されたが、の姿はなかった。
卓には夜に使った器が残されている。
蔵庫には料が入ったまま。
健の仕事用鞄も部の類を除いてにあった。
旅用の荷物を持ちした形跡もない。
美玲の類も、の玩具も、そのままだった。
「族でかけたんじゃないんですか」
最初、警察はそう考えた。
しかしは自宅くで見つかった。
健の財布からが引きされた記録もない。
座もいていなかった。
親族にも連絡はない。
美玲の実にも、健の親族にも、何のらせもなかった。
最も解だったのは、幼いまで緒に消えていることだった。
3歳の子供を連れて、何の準備もなく族全員が姿を消す。
自発なだと考えるには、自然な点がすぎた。
所では、失踪に見慣れない黒いが何度かまっていたという証言もた。
「夜遅くに、同じようなを見ました」
「さんのを見ているようだった」
しかし種やナンバーを覚えていた者はいなかった。
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朝建設でも事聴取がわれた。
会の吉田敬吾は、落ち着いた態度で警察へ応じた。
「君は非常に真面目な社員でした」
吉田は残そうに眉をげた。
「突然連絡が取れなくなった理由は、私にも分かりません」
「会社内で問題を抱えていませんでしたか」
「なくとも私がる限りではありません」
「退職の相談は?」
「ありません」
吉田の供述に自然な点は見つからなかった。
そののについても、くのが証言していた。
会。
会議。
取引先との面談。
ごとに記録があり、本が直接事件へ関わった形跡はない。
当の警察は、の失踪と会社の経理問題を結びつける証拠を持っていなかった。
そもそも健が正帳簿を調べていたこと自体、分にはられていなかった。
自宅の斎には資料が残っていたが、決定な帳簿やコピーは見つからなかった。
まるで、誰かが必なものだけ持ちったかのようだった。
捜査は続いた。
駅。
空港。
宿泊施設。
病院。
部。
川。
あらゆる能性が調べられた。
それでも3は見つからない。
やがて季節が変わり、半が過ぎた。
報提供を求めるポスターも次第に減っていった。
1。
3。
5。
事件の記録は警察署の類棚へ移された。
ファイルはかった。
「部からの侵入を示す決定な痕跡なし」
「自発失踪の能性を排除できず」
そんな数の言葉で、のは止まったままになった。
親族たちは諦めなかった。
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