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"20億追放妻の封筒逆転" 第3話

私はわず笑った。

「そうなんですか?」

「子どものことは仕方がないでしょう」

その瞬、胸の奥にさなが灯った。

「私だけの問題だとお考えなんですね」

義母の眉がいた。

「何が言いたいの?」

「いえ。何でもありません」

妊治療の、健也も検査を受けていた。

ただ、詳しい結果を私はほとんど聞かされていない。彼は「問題なかった」とだけ言い、私もそれ以追及しなかった。

今考えれば、それも奇妙だった。

しかし、そので問いただす気にはなれなかった。

「署名しなかったは?」

私が尋ねると、義父は背もたれにく座った。

「通常の続きになる」

「裁判ですか」

「必なら」

義母がたい声で付け加えた。

「ただ、あなたも考えた方がいいわ。世はどちらの話を信じるとう?」

私はを見た。

「子どもを産めなかった妻が、夫に捨てられた」

義母は元だけで笑った。

「言葉を選べば、そういう見え方になるでしょうね」

「それで20億円を受け取って黙れば、皆さんにとって番都がいい」

義父が机を軽く指で叩いた。

になる必はない。これは双方にとってな解決だ」

その「」という言葉で、何かが切れた。

私は、この理性を求められてきた。子どもができなくても笑い、夫が忙しくても支え、義母に何を言われても言い返さず、斎藤の評判を落とさないように振るった。

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そして最まで。

私はに捨てられようとしている。

ください」

私は類を閉じた。

義母が眉をひそめた。

「何を考える必があるの?」

「私のですから」

初めて、私は義母の言葉を途で遮った。

くらい、自分で考えさせてください」

義父はしばらく私を見たあと、頷いた。

だ」

私はがった。

いつもの習慣で「失礼いたします」とげたものの、義父母を「お父様」「お母様」とは呼ばなかった。

斎を、廊の端に田っていた。

目がう。

彼は何も言わず、たださくげた。

私はそのまま敷をた。

はまただった。

傘を持っていたのに、すぐにはかなかった。

頬を流れるなのか涙なのか分からなくなった。

5の結婚活。

20億円。

退

の帰国禁止。

私はで、初めてはっきり理解した。

あのたちにとって、私は族ではなかった。

な役目を果たせなかったから、を払って片付けるになっただけだった。

マンションへ戻ったのは午7頃だった。

に濡れたコートを脱ぎ、リビングを見渡す。結婚祝いでもらったきな瓶、旅先で買ったさな置物、健也と選んだダイニングテーブル。その全てが、突然誰か別の夫婦の活用品のように見えた。

希から話があった。

私は義実で聞いたことを全部話した。

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「20億?」

希の声が裏返った。

「それでろって?」

「そう」

「そんなの、切れじゃなくて追放じゃない」

私はソファに座ったまま、膝を抱えた。

「でも20億もらえるなら、もういいかなってう自分もいる」

「結菜」

「疲れたの。裁判して、週刊誌にかれて、毎健也と美奈さんの記事見て……そんなことするくらいなら、どこかくへってしまいたい」

希はし黙った。

「署名するなとは言わない。でも、何も確認しないまま署名するのだけはやめて」

「確認?」

なくとも弁護士に見せて。あなた、5ずっと相のルールでいてきたんだから、最くらい自分の方を作りなよ」

その言葉は正しかった。

希が紹介してくれた女性弁護士にを見せた。

彼女は40代半ばで、名野寺玲子といった。類をずつ読み、途で何度か眉をひそめる。

額は非常にきいですが、条件もかなりいですね」

「署名しない方がいいですか?」

「それはあなたが何を望むかによります」

野寺は類を閉じた。

「ただ、つ覚えておいてください。このであなた自の権利についてすることはできます。でも、まだしていない第者の権利まで完全に消せるわけではありません」

その言葉が妙にに残った。

「第者?」

「例えば、将来の相続や子どもなどです。

もちろん現点では関係のない話ですが」

私は軽く頷いた。

まさか、その言葉が数を変えるとはわなかった。

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