みかん小説
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"特大おにぎりの恩返し" 第10話

「ママー! プリン個余ってる!」

亜美の目がった。

俺も。

反射がった。

「俺がう!」

「私!」

る。

太が呆れた顔をした。

なのにじゃんけんするの?」

「これは事な勝負なんだ」

俺が言う。

亜美も拳を握る。

雅君、20から負け越してるからね」

「今は勝つ」

「絶対無理」

で向かいう。

最初はグー。

じゃんけん。

俺はグー。

亜美はパー。

「ああああ!」

俺の声が堂に響いた。

太が腹を抱えて笑う。

亜美はプリンをく掲げ。

あのと同じ顔で笑った。

「今も私の勝ち」

20

俺は。

腹を空かせた女の子へ。

祖母の特おにぎりを渡した。

そして20

その女の子は。

俺の隣で笑いながら。

もの子供へ。

同じおにぎりを渡している。

ばあちゃん。

あの

俺が2個もやったから。

帰りぬほど腹が減ったよ。

だけど。

今なら分かる。

あれは。

俺が今までべたで。

番腹いっぱいになった昼飯だった。

そして。

あののおにぎりは。

まだ終わっていない。

もどこかで。

「お腹空いた」

と言った誰かのへ。

ちゃんと。

渡っている。

祖母・静くなってから、最初のが来た。

庭の梅のには、例と変わらずが咲いた。祖母がいなくなったからといって、季節が止まるわけではない。朝になれば太は学き、俺は会社へ向かい、亜美は「むすび堂」の厨つ。

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から分の声が消えただけなのに、暮らしというものは妙に律儀に先へんでいった。

ただ、台所だけはしばらく違って見えた。

流しの横に置かれていた祖母専用のさな子。使い込まれ、持ちが落ちた包丁。梅干しを取りにしか使わなかった赤い蓋の保容器。それらが以と同じ所にあるほど、祖母がもうそこへ座らないことだけがはっきりした。

亜美は、祖母から受け取った赤いノートを台所の棚へ置いた。

最初は「汚したら嫌だから」と透な袋へ入れていたが、母に笑われた。

「料理のノートなんだから、汚れてなんぼよ」

そのから、亜美は袋をした。

今ではページの隅にがつき、梅酢の赤い染みも増えている。祖母が使っていた頃にはなかった亜美自き込みもしずつ加わっていた。

〈塩は静さんより1割なめでも丈夫〉

太はめが好き〉

雅は酸っぱすぎると文句を言うが結局3個べる〉

を見つけた、俺は抗議した。

「余計なことくなよ」

「記録は正確じゃないと」

「3個もってない」

「先週4個べました」

「……あれはさかっただろ」

「静さんサイズでした」

太が横から吹きした。

そんなやり取りができるようになるまでには、がかかった。

祖母の葬儀から3ヶほど経った頃、俺と亜美は正式に結婚した。

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から族のように過ごしていたこともあり、活そのものがきく変わったわけではない。ただ、朝起きたに亜美がいること、仕事から戻ったに「おかえり」と言われることが、俺にはっていた以きかった。

な式は挙げなかった。

亜美が「結婚式に何百万円も使うなら、堂の蔵庫をきくしたい」と言いしたからだ。

回だぞ?」

蔵庫も回買えば10くらい使えるよ」

「比較するものがおかしいだろ」

「じゃあ雅君、ドレスと業務用蔵庫、どっちが役につとう?」

答えに詰まっていると、太が即答した。

蔵庫」

「おは父親の方しろよ」

結局、族と親しい友だけを「むすび堂」に招き、さな事会をいた。母がちらし寿司を作り、父が魚を焼き、会社の若い社員たちがテーブルを運んでくれた。

卓の真んには、皿いっぱいの梅干しおにぎりが並んだ。

祖母の赤いノートを見ながら、亜美が朝から握ったものだった。

「結婚祝いで梅干しおにぎりって、うちらしいよね」

亜美が笑う。

「いいんじゃないか。始まりもそれだったし」

そう答えると、亜美は瞬だけ目を細めた。

学4

弁当を持ってこられなかった女と、べることばかり考えていた太った男子。

あのの俺たちが、20に同じ卓を囲んでいる。

それだけでも議だった。

事会の途太が俺のところへ来た。

「パパ」

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