みかん小説
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"200円の家族" 第2話

「500円……?」

「はい」

「でも、メニューには300円って……」

「そちらは平限定価格なんです。今ですので、通常価格の500円になります」

女性は慌てて財布をいた。

銭を取りす。

何度数えても、のひらにあるのは300円だけだった。

「すみません」

女性の声が震えた。

「300円しかないんです。なんとかなりませんか」

員も困った表になった。

「申し訳ございません。規則ですので……」

内の線がしずつレジへ集まり始めた。

女の子は何も言わず、さらにく母親のをつかんだ。

翔太はその景を見ながら、で状況を理した。

額は200円。

このまま話が引けば、レジが塞がる。

員の業務も滞る。

の客にも響がる。

200円で問題を解決できるなら、最も効率な方法はらかだった。

翔太は法全を閉じた。

そして席をち、レジへ向かった。

「差額の200円、私が払います」

女性と員が同に振り返った。

女性は驚き、すぐに首を横に振った。

「いえ、そんな……初めてお会いした方に」

「問題ありません」

翔太は財布から200円を取りした。

「このまま会計が引けばの業務に支障がます。200円を支払えば解決できます。な判断です」

女性は言葉を失った。

理由は妙だったが、助かったことには変わりない。

やがてげた。

「ありがとうございます。本当に……ありがとうございます」

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翔太はさく頷いただけだった。

「私も会計をお願いします」

自分の伝票を員へ渡し、いつも通り事代を支払う。

このの翔太は、それで終わるとっていた。

200円を支払った。

問題は解決した。

ただそれだけの来事になるはずだった。

しかした翔太を、先ほどの母子が入で待っていた。

「先ほどは、本当にありがとうございました」

た翔太へ、女性がげた。

はすでに暗くなっていた。先のはまだたく、女性の着では寒そうに見えた。

「お名を教えていただけませんか。必ず200円、お返しします」

「必ありません」

翔太は即答した。

200円を回収するために連絡先を交換し、再び会うを作る方が非効率だ。

そう判断し、母子の横を通り過ぎようとした。

そのだった。

の裾を、何かに軽く引かれた。

見ると、女の子がさなで翔太の着をつまんでいた。

「お兄ちゃん」

翔太がち止まると、女の子はし緊張した顔で見げた。

「ありがとう」

そのさく震えていた。

翔太は初めて、親子の姿をくからよく見た。

女性のは清潔にしようとしていることは分かったが、袖が擦り切れている。女の子の靴は片方の底が剥がれかけ、汚れた靴し見えていた。

2とも、しばらくまともに呂へ入れていないのか、髪にも疲れが滲んでいる。

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翔太は女の子のから線をげた。

「失礼ですが、経済に困っているようですね」

あまりにも直接な言い方だった。

女性は恥ずかしそうに顔を伏せた。

「……はい」

「事を聞いても?」

しばらく迷った、女性はさく頷いた。

「私、美咲といいます。この子は娘の桜です」

桜は母親の隣へ戻り、美咲のを握った。

「3か、夫が別の女性と緒にていきました」

美咲は途切れ途切れに話し始めた。

夫は以から料が入るとすぐ使ってしまうことがく、らないに借まで作っていた。ある突然、貯をほとんど持ちし、とともに姿を消したという。

養育費は1円も入っていない。

婚の続きもめたいが、夫が話しいに応じず、弁護士を雇う余裕もなかった。

「仕事は?」

翔太が尋ねると、美咲はしだけ顔をげた。

「来週から清掃の仕事が決まってるんです。だから、そこまで何とかすれば……」

言葉が途で止まった。

翔太は次の質問をした。

「今、居はありますか?」

美咲の表が固まった。

桜がそうに母親を見げる。

い沈黙の、美咲はようやく答えた。

「今の朝、アパートをされました」

賃を3か滞納していた。

夫がいなくなってから収入がりず、貯もなく、ついに部を失ったのだという。

「今夜はどこへ泊まる予定ですか?」

美咲は答えられなかった。

その沈黙だけで分だった。

桜は何もらないふりをするように母親のを握り、「ママ、丈夫だよ」

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