みかん小説
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"止まったカードと空の家" 第10話

美津は実にも居づらくなった。

かつて築の戸建てで優雅な専業主婦活をしていた彼女は、自分で活費を稼がなければならなくなった。

昼はビル清掃。

が空けばコンビニ。

慰謝料の支払いもある。

は働きながら事もして変だね」

と言っていた美津が、昼夜問わず働いていると聞いた。

私は同しなかった。

彼女が自分で選んだ結果だからだ。

婚の話しいがむにつれ、正文は何度もあやとの面会を求めた。

『娘には会わせてください』

弁護士を通して、その希望が伝えられる。

私はごなしに、

「絶対に会わせない」

と言うつもりはなかった。

親同士の婚と親子関係は別問題だ。

ただ、最も切なのはあやの気持ちだった。

「パパが会いたいって」

あるの夜、私は娘へ伝えた。

あやは読んでいた本から顔をげた。

「今?」

「すぐじゃなくてもいいよ」

「ママは?」

「ママが決めることじゃない」

私は隣へ座った。

「会いたくなったら会えばいい。今は会いたくないなら、それも言っていい」

あやはしばらく考えていた。

「今はいい」

「そっか」

「だって、何話せばいいか分かんない」

「分かった」

それが娘の答えだった。

私はそのを弁護士へ伝えた。

正文はかなり落ち込んだらしい。

度だけでも』

と繰り返したが、無理に娘へ会わせるつもりはなかった。

が必だった。

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婚自体は、証拠が揃っていたこともありきく揉めずにんだ。

正文から私へ慰謝料。

美津にも慰謝料を請求。

養育費についても取り決める。

正文は当初、

『そんな額払えない』

と渋った。

しかし弁護士から現実な説を受け、最終にはした。

正文と夫婦ではなくなる。

その事実が決まったの帰り

私は駅を止めた。

初めて正文と待ちわせた所のくだった。

代。

あのはいつも10分く来て、私が現れるときくを振っていた。

ー!」

今でもその声をせる。

あの頃の正文まで嫌いになったわけではない。

結婚活の全部が幸だったともわない。

あやがまれた

正文は泣いていた。

「俺、絶対この子幸せにする」

そう言っていた。

本気だった期もあったのだろう。

だからこそ、どうしてこうなったのかとう。

つの嘘。

回の密会。

度だけカードを使う。

そんなさな線を越えるたびに、は戻れなくなるのかもしれない。

正文は暮らしを始めた。

最初のうちは会社にも通い、養育費や慰謝料も払っていた。

しかし、もともとの浪費癖が再び顔をした。

計を私が管理していた頃、正文は2万円の遣いだけを使っていればよかった。

は違う。

賃。

費。

費。

通信費。

全部自分で管理しなければならない。

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それなのに正文は、寂しさを埋めるように物を買い始めた。

価な靴。

しいゲーム

のないブランド品。

に欲求を満たしても、部に帰れば

すると、また買う。

そんな活を続け、徐々に借まで抱えるようになったらしい。

弁護士を通して支払いの相談が来たこともある。

私は養育費についてだけは曖昧にするつもりがなかった。

「娘のためのおです」

正文が苦しいからといって、あやの権利まで消えるわけではない。

方、美津の活も以とはきく変わった。

専業主婦だった彼女は、自分で働かなければならなくなった。

昼は清掃。

夕方からコンビニ。

慰謝料の支払い。

活費。

賃。

のように価なや化粧品を気軽に買える状況ではない。

ある共通のから、

「美津、かなり痩せたらしいよ」

と聞いた。

私は、

「そう」

とだけ答えた。

会うつもりはない。

謝罪もらない。

もう彼女は私の親友ではなかった。

それより、私には守りたい活がある。

しい

娘。

仕事。

あやの学活。

そちらの方がずっと切だった。

ある夕方。

仕事から帰ると、あやが玄関までってきた。

「ママ!」

「ただいま」

「今ね、友達呼んでもいいって?」

「宿題終わったらね」

「終わった!」

い」

「だってしい見せたいもん」

私は笑った。

願だったマイホーム。

正文と3む未来を像して買うはずだったではない。

けれど今。

このに帰ってくると、私はからできる。

誰かのスマートフォンを疑う必もない。

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