"止まったカードと空の家" 第2話
もともとは同じ会社の正社員だったが、結婚に妊娠し、あやを産したのをに勤務へ切り替えた。
正文とは専学代にりった。
友を交えた事会で隣になったのがきっかけで、そのすぐに交際が始まった。
るくて当たりがよく、し器用だが根は優しい。
当の私は、正文のそういうところに惹かれていた。
ただし、欠点がつだけあった。
浪費癖だ。
学代、正文はアルバイト代が入るたびに気がきくなった。
「見て。これ限定モデルなんだよ」
数万円もするスニーカーを嬉しそうに見せてきたことがある。
「正文、今の賃は?」
「あ」
「携帯代は?」
「……まだ」
「じゃあ、何でそんな靴買ったの?」
「だって今買わないとなくなるし」
そんな調子だった。
話題のゲームが発売されれば発売に購入し、流のイヤホンを見れば欲しくなり、友達に誘われれば先考えずみにく。
その結果、料になると財布は空っぽ。
数、豆腐と米だけで活したことも度や度ではなかった。
「、悪い。1000円貸して」
「また?」
「料入ったら絶対返す」
「先も同じこと言ってたよ」
それでも、浪費癖さえ除けば正文は優しかった。
私が体調を崩せば薬を買ってきてくれたし、い荷物を持っていれば自然にを貸してくれる。喧嘩をしても、翌には自分から謝ってくるだった。
広告
結婚を決めた、私はつ条件をした。
「計は私に任せて」
正文は苦笑しながら頷いた。
「やっぱり?」
「当然でしょ」
結婚と同に、正文が使っていた座は理した。
料は夫婦で使う共座へ入れ、通帳とキャッシュカードは私が管理する。正文には毎2万円を遣いとして渡し、それ以のきな買い物は必ず相談してもらう。
本名義のクレジットカードも、しく作らないことにした。
もちろん、方に縛りつけたわけではない。
正文自も、
「俺に持たせたら危ないからな」
と笑って納得していた。
この話を美津にしたは、笑いされた。
「、徹底してるね!」
「そこまでやらないと本当に危ないんだって」
「毎2万円?」
「昼ご飯とか必なものは計から別ですよ。完全に自由に使えるおが2万円」
「みたい」
美津は腹を抱えて笑っていた。
彼女とは代からの付きいだった。
最初はし派な見た目に気れして、私は距を置いていた。髪をるく染め、流のを着て、いつも友に囲まれているタイプだったからだ。
ところが文化祭の準備で同じ係になり、話してみると驚くほど気がった。
好きな音楽。
好きなドラマ。
べ物の好み。
くだらない話で何でも笑えた。
そのまま卒業しても関係は続き、私が正文と交際を始めたことも、美津にはかなりい段階で話した。
広告
ただ、美津にも欠点はあった。
恋関係が続きしない。
相がいるのに別の男性へ気持ちが移ることもあり、昔から恋に関してはし奔放だった。
「また別れたの?」
「だってつまんなくなったんだもん」
「美津、もうし落ち着いたら?」
「は真面目すぎ」
そんな会話を何度したか分からない。
それでも友をやめようとはわなかった。
は完璧ではない。
私にも欠点はある。
だから何でも慮なく言いえる美津との関係は、私にとって貴だった。
その美津も、2に結婚した。
相は経済にも定していて穏やかな男性で、美津自も専業主婦になった。
「私もやっと落ち着いたでしょ?」
結婚の美津はそう言って笑っていた。
私は本当にそうっていた。
だから正文を警戒する必などないと考えた。
正文は正文で、結婚してから浪費も落ち着いていた。
娘も10歳になった。
いつかはマイホームを買いたい。
あやにはこれからもっと教育費もかかる。
私たち夫婦はしずつ貯を増やしていた。
美津が結婚と同に築の戸建てを建てたには、正直うらやましかった。
「やっぱり戸建てっていいね」
私が言うと、正文も頷いた。
「俺たちもいつか買おう」
「そのためには貯しないと」
「分かってるよ」
その言葉を、私は信じていた。
計をきちんと管理していれば、正文の浪費癖も抑えられる。
この先も族3で暮らしていける。