"元嫁の15枚返し" 第11話
「お母さん!」
京子は片側の顔を歪め、反応を失っていた。
救急が呼ばれた。
診断はい脳血だった。
病院では、緊急の処置に額な費用が必だと告げられた。
健は会計へ向かおうとした。
しかしその、ロビーへ男たちが入ってきた。
健がを借りていた業者だった。
「社。どこへ逃げるつもりだ」
「母が倒れたんです。今はそれどころじゃない」
「母親の治療費はあるのに、俺たちへ返すはないのか?」
周囲の線が集まった。
健は処置の向こうにいる母を見た。
酸素マスクをつけ、かない母。
そして債権者たち。
数秒考えた、無理に笑った。
「財布をに忘れました。取ってきます」
そう言ってった。
階段を駆けりながら携帯話をき、京子と羅の番号を着信拒否へ入れた。
そのまま戻らなかった。
5。
廊で待っていた羅は、兄が逃げたことをった。
「どうして……」
話はつながらない。
頼れる親戚へ片っ端から連絡した。
しかし百貨やパーティーの騒はすでに広まっていた。
「うちも余裕がないから」
「悪いけど関わりたくない」
誰も助けてくれなかった。
最に連絡先をスクロールすると、1つの名がてきた。
佐藤恵子。
羅の指が止まった。
1杯さえ自分で取りにかず、恵子に持ってこさせていた。
眠っている恵子へ雑巾を投げた。
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をビニール袋へ詰め、から追いした。
その相へ、今さら助けてくれとは言えなかった。
結局、京子は命を取り留めた。
しかし半にはい麻痺が残り、1ではつこともできなくなった。
病院をる、子の京子が何かを繰り返し呟いていた。
羅がをづけた。
「お母さん、何?」
歪んだから聞こえてきたのは、恵子の名だった。
12「飯い虫」と罵り、最には頬を叩いて追いした嫁を呼んでいた。
港区のには戻れない。
預もない。
助ける族もいない。
母娘がたどり着いたのは、京のれにある半の古いワンルームだった。
窓のには通の元しか見えない。
壁には湿気による黒ずみ。
のには排の臭いががってくる。
子は入の段差を越えられず、羅が母を背負って運ばなければならなかった。
京子は1、古い井を見つめた。
自分1では寝返りも打てない。
トイレにもけない。
横になっているほど、過の活が鮮によみがえった。
百貨のラウンジ。
毎何もせず増えていた座残。
都を見ろしたリビング。
そして、それを支えていた恵子。
「私は……何をしていたんだろう」
閉じにくい目から涙が落ちた。
方の羅は、まだ婚約を取り戻せるとっていた。
婚約者のへき、玄関先でをげた。
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「もう度だけチャンスをください。何でもします」
婚約者の母・ひよ子はたく見ろした。
そのはで法事の準備をしており、台所では料理が作られていた。
「何でもするの?」
「はい」
「それなら、料理くらい作ってみたら?」
羅の顔がるくなった。
「本当ですか?」
エプロンをつけて台所へった瞬、のが真っになった。
何も作れない。
油をどれくらい使うのか。
加減はどうするのか。
はどう作るのか。
すべて恵子任せだった。
羅はトイレへ隠れ、母親へ話した。
「お母さん、料理ってどうするの?」
京子は瞭な声で答えた。
「らないわよ……今まで全部、恵子がやってたでしょう」
羅は追い詰められ、とうとう恵子へ話した。
数回の呼びしの、つながった。
「まだ私に何か用?」
たい声だった。
「お姉さん、切らないで。今、婚約者のなの。料理の作り方を教えて。私のがかかってるの」
その頃、恵子は会社の会議で企業との打ちわせだった。
12、料理を教わろうともせず、1杯さえに持たせていた女が「がかかっているから教えろ」と言う。
恵子はわず笑った。
そして適当な説をした。
「フライパンに油を入れてして、麦を入れて、そのににつけてある魚介類を全部入れればいいんじゃない?」
「分かった!」
「もう話してこないで」
話は切れた。
羅は本気で信じた。
量の油をし、麦を袋からそのまま入れ、さらに分の残った魚介類をまとめて投入した。
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