"元嫁の15枚返し" 第2話
「お、おばさんですって? あんた今、私を――」
最まで聞かず、恵子は通話終ボタンを押した。
狭いワンルームに静寂が戻った。
しばらく消えた画面を見つめていた恵子は、布団からると、に荷物を理したに見つけた古い帳を引きしから取りした。
表が擦り切れた、のひらほどのきさの帳だった。
ページをけば、びっしりと数字が並んでいる。
何にいくら補填したか。
どのカードで何を購入したか。
健の会社へいくら送したか。
京子や羅がどれだけ使ったか。
夫が事業をしている以、銭管理はきちんと残した方がいいと言われ、12、恵子が1で記録してきたものだった。
恵子は帳を膝に広げると、カード会社へ話をかけた。
本確認を終え、自分名義で発されている族カードについて照会を頼む。
しばらく待った、オペレーターが答えた。
「お客様名義で発されている族カードは、現15枚ございます」
「15枚……」
恵子自も、その数を正確には把握していなかった。
百貨で使われるカード。
美容クリニックの定期決済。
ゴルフ。
級クラブ。
会社名義だとっていた両のリース料やガソリン代。
羅がブランド品や旅で使っていたカード。
その半が、実際には恵子の信用と収入をもとに発されたものだった。
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「過3のご利用総額もご案内できますが」
「お願いします」
読みげられた数字を聞き、恵子は帳を持つ指に力を込めた。
その額があれば、が1軒買えた。
昼は企業のコンサルタントとして働き、夜は翻訳の副業を続けて稼いだだった。午2、3までパソコンの画面を見つめ、赤くなった目に目薬を差しながら稼いだが、15枚のカードから吸いされ続けていた。
恵子は度目を閉じた。
そして再びいた、声は驚くほど落ち着いていた。
「全部、解約してください」
「族カード15枚、すべてでしょうか。度解約すると元に戻せないがございますが」
「はい。全部です。今すぐお願いします」
続きには10分もかからなかった。
続いて恵子は、京子と羅がが物顔で利用していた座の百貨へ話をかけた。
VVIP会員専用ラウンジの担当者へつないでもらい、自分の名義に連携されている族会員資格をすべてしてほしいと伝えた。
「もし皆様が来された、どのように対応いたしましょうか」
担当者が慎に尋ねた。
恵子は窓のを見た。
の向こうから、朝のがしずつ差し込み始めていた。
「規則通りにお願いします。騒ぐようなら、のお客様と同じように退させてください」
そしてく付け加えた。
「もう私とは何の関係もないたちですから」
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話を切り、恵子はカーテンをけた。
12、「庭の平のためなら自分がしすればいい」とってきた。
いつかは分かってくれる。
いつか謝してくれる。
そう信じた代償として残ったのは、トランク1つと古びた帳1冊だった。
「もう終わりにしよう」
恵子は朝に照らされた狭い部で、さく呟いた。
その頃、港区のペントハウスでは、真っ黒に焦げた料理をにした3の女が、まだ恵子を笑っていた。
数、自分たちが頼り切っていた15枚のカードすべてが使えなくなったこともらずに。
京子たちが暮らす港区のペントハウスでは、朝から台所が戦と化していた。
京子、羅、そして桃。3とも華やかな格好をしていたが、誰1としてまともに料理をした経験がなかった。
12、このの季節料理も正料理も、来客用の事も、すべて恵子が作ってきた。
3がっているのは、完成した料理が美しい皿に盛られて卓へ並ぶ姿だけだった。
桃がフライパンへ量の油を注いだ。
「油はい方がくっつかないんですよね?」
誰も答えをらないまま、油から煙ががり始めた。
羅が麦を適当にまぶした魚を放り込むと、油が激しくねた。
「きゃあ!」
桃が鳴をげてび退いた。
「い! 指にかかったじゃない!」
羅は自分のについた油染みを見て顔をしかめた。
「これ、この買ったばかりなのに。シミになったらどうするのよ」
京子はしれた所から腕を組み、自分では何もしないまま命令だけした。