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"消えた御曹司と500万の罠" 第11話

そして健造を見た。

その瞬

体が張った。

目に恐怖が浮かんだ。

健造の胸が痛んだ。

当然だった。

自分はこの子を信じなかった。

丈夫だ」

健造は距を取ったまま言った。

「もう全だ」

は返事をしなかった。

体調が落ち着いたところで、健造は遺伝子検査の結果を持って病へ入った。

「話がある」

は窓のを見ていた。

「検査をした」

返事はない。

健造は震える息をえた。

「おは私の息子だ」

が布団をく握った。

「田。20に失った、私の息子だ」

健造は検査結果を差しした。

は見なかった。

い沈黙。

やがて、い声が聞こえた。

「それで?」

健造は息を止めた。

がこちらを見る。

「今さら私を息子と呼ぶんですか」

目にはりがあった。

「数には、500万円を受け取っただとったんでしょう」

「悠……」

「私を疑った」

声が震え始めた。

「信じてくれなかった」

健造は何も言えなかった。

「父親の基準にわないだとったんでしょう」

の目に涙が溜まった。

「私は、捨てられたとってきてきました」

声が詰まる。

「親にいらないとわれたから、施設にいるんだとってた」

健造は俯いた。

「だから自分は価値のないなんだって、ずっとってたんです」

度息を吸い。

は続けた。

「それなのに突然、お企業の会の息子だって言われても……どう受け止めればいいんですか」

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健造はげた。

「私が違っていた」

言い訳はしなかった。

「おを疑った。自分の勝な基準で判断した」

げられなかった。

「父親として最だ」

「……」

「すまない」

健造の声も震えた。

「本当に、すまなかった」

しばらくして、健造はもう1つの話を始めた。

「お識を失っている、ずっとある名を呼んでいた」

の目が揺れた。

「佐藤実」

その名を聞いた瞬

の奥で何かが弾けた。

暗い内。

きな

「悠、よく聞け」

誰かが抱きしめている。

れ。絶対に振り返るな」

そして背を押された。

「実……兄さん」

涙が頬を伝った。

健造は静かに言った。

「実君がおを救った」

は両で顔を覆った。

「おへ逃がして、自分は残った」

記憶がしずつ戻る。

怖かった。

暗かった。

泣いている自分。

抱きしめてくれた実。

に笑っていた。

――悠丈夫だ。兄ちゃんがいる。

「僕を……捨てたんじゃなかった」

が震える声で言った。

健造は首を振った。

「違う」

そして息子のへ、恐る恐る自分のねた。

「おは捨てられたんじゃない」

が顔をげる。

「誰かが命をかけて守った子供なんだ」

は声をげて泣いた。

25

自分を押しつぶしてきた言葉。

捨てられた子。

誰にも必とされない

そのが、初めて崩れていった。

が回復している

健造は鈴へ、今回の事件を徹底に調べるよう命じた。

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き先変更が伝えられた朝の防犯カメラ。

500万円の振込元。

を呼びした偽の監査連絡。

倉庫の賃貸記録。

男たちの通話履歴。

つひとつ調べるにつれ、すべての線が田信司へつながっていった。

ある夕方。

健造は信司を会へ呼んだ。

「お呼びでしょうか、父

いつもの穏やかな表

健造は机のを指した。

「座れ」

信司が座る。

健造は分いファイルを机のへ置いた。

「見ろ」

最初のページ。

の防犯カメラ。

商談当の朝、信司が悠へ話しかけている。

次のページ。

500万円の送記録。

複数の座を経由していたが、元をたどれば信司とつながる融業者へき着いた。

さらに倉庫の契約。

監禁に関わった男たち。

通話記録。

信司のしずつ震え始めた。

「これは……誤解です」

「誤解?」

健造の声がくなった。

「ここまで証拠があるのに、何が誤解だ」

信司は顔をげた。

「私は会社を守ろうとしたんです」

「会社を?」

「あの男が何者か分からなかった!」

声がきくなった。

「突然スペイン語を話し、父しからない庫の暗証番号を当てた。産業スパイかもしれないじゃないですか!」

「だから500万円を振り込み、偽の指示をしたのか」

「信用できるか確かめたかっただけです」

「監禁までして?」

信司が黙った。

健造はがり、窓のへ目を向けた。

「おがなぜやったか、私には分かる」

信司の肩がいた。

「怖かったんだろう」

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