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"ブサ婿の正体" 第5話

震えている。

怖い。

それでも、議なくらいい気がした。

初めてだった。

父と母に、「嫌だ」と言えた。

そのの夜。

帰宅した剛に、私は相談した。

「弁護士さんに相談したいことがあります」

剛は理由をく聞くに頷いた。

「分かりました」

そして御堂の顧問弁護士を紹介してくれた。

3

弁護士との打ちわせで、事態はさらに刻なことが分かった。

嶋さん」

類を確認していた弁護士が、静かな調で言った。

「ご両親は、ご本らない借も作っています」

「どういうですか?」

机のしい資料が置かれた。

私名義の借入。

連帯保証。

さらに、私の名で作られていた通帳が2冊。

私は見たことすらなかった。

総額はたに約150万円。

「私、こんなのりません」

声が震えた。

「当然でしょう。嶋さんご本の同なく名義が使われています」

印鑑まで使われていた。

どこから持ちしたのか。

考えるまでもなかった。

に置いていた印鑑だ。

「これは詐欺為に当たる能性があります」

弁護士は淡々と説した。

「民事の対応だけでなく、内容によっては刑事の問題になる能性もあります」

私は隣に座っていた剛を見た。

剛は何も言わず、さく頷いた。

決めるのは私だ。

そう言っているようだった。

私は資料へ線を戻した。

「お願いします」

言葉にすると、胸が痛んだ。

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それでも続けた。

「きちんと続きをしてください」

そこからは静かに、しかし確実に物事がんだ。

父と母による私名義の正利用。

借入の記録。

への虚偽説

使途の確認。

関係者への聞き取り。

両親は何度も主張した。

「娘に裏切られた」

「自分たちは被害者だ」

族のの話なのにげさだ」

だが、弁護士のでは何のも持たなかった。

打ちわせが終わった帰り

私は剛と並んでマンションへ向かった。

夜のを2で歩く。

しばらく会話はなかった。

信号でち止まった、剛が静かに言った。

「辛かったら、無理しなくていいですよ」

私は信号を見ながら答えた。

「辛くはないです」

し考えて付け加えた。

「ただ、怖いです」

「それは正常だといます」

わず剛を見た。

「正常?」

「怖くなるのは普通だといます」

私はし笑った。

「正常って言ってもらえると、なんかします」

「そうですか」

剛はそれだけ言い、信号が青になると歩き始めた。

丈夫とも言わない。

頑張れとも言わない。

絶対うまくいくとも言わない。

ただ、「辛かったら無理しなくていい」と言う。

このは、余計なことを言わない。

でも言葉がないからこそ、そのの考えが分かる気がした。

剛はきっと、言葉よりもを支えるなのだ。

それからしばらくして。

父と母が突然、居まで押しかけてきた。

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インターホン越しに、父の鳴り声が響いた。

「咲! てこい!」

私はリビングで体を固くした。

族の話しいもできないのか! おを産んで育てた親に、何だその態度は!」

続いて母の声がした。

「咲ちゃん、お父さんがってるの。お願いだからてきて。話を聞くだけでいいから」

父が脅す。

母がに訴える。

22、ずっと同じだった。

でも、そのは違った。

剛がゆっくりがり、インターホンのった。

声を荒らげることなく、穏やかに告げた。

「御堂です」

し静かになった。

「このまま声をし続けるようであれば、警察を呼びます」

父が何か言い返そうとしたが、剛は続けた。

「お2に関する続きはすでに弁護士を通してめています。今の連絡は、すべて弁護士を通してください」

い沈黙があった。

父の舌打ちが聞こえたような気がした。

やがて音がざかっていった。

2分の音だった。

私は壁にもたれ、く息を吐いた。

何かが体のから抜けていくような覚がした。

ずっと怖かった。

父がること。

母が泣くこと。

族を捨てたと言われること。

でも扉の向こうへ消えていく音を聞きながら、初めてった。

もう私は、あのの子供ではない。

自分できていいのだ。

その、父と母はそれぞれ自己破産の続きをめることになった。

私名義の正利用についても証拠が残り、父の勤務先にも問題がられることになった。最終に父は職を失い、母も親族へ助けを求めて回ったが、これまでの経緯をったたちから距を置かれたという。

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