みかん小説
本棚

"ブサ婿の正体" 第3話

嫌でもない。

ただ静かだった。

なのか。

言葉を慎に選ぶなのか。

それとも私との活に悔しているのか。

まだ何も分からなかった。

10分ほど経った頃。

剛が突然いた。

「咲さん」

「はい」

剛は膝ので両を組み、し緊張した様子で私を見た。

「俺、正直に話さないといけないことがあります」

その言葉を聞いた瞬、私の体に緊張がった。

何だろう。

結婚活について条件をつけられるのか。

御堂の嫁として守らなければならない決まりでもあるのか。

それとも、私の両親が何か余計な約束をしているのか。

にいくつもの能性が浮かんだ。

しかし剛がにしたのは、どれでもなかった。

「俺、結婚がしたかったわけじゃないんです」

私は黙って剛を見た。

「親が決めた話でしたし、最初は俺も反対しました」

剛はそこで度言葉を切った。

「でも、相が咲さんだと分かった、考えが変わったんです」

「私だから?」

「はい」

剛はまっすぐ私を見ていた。

「どうしても、度会わなければといました」

私はが分からなかった。

「どういうことですか?」

剛はしばらく言葉を探すように黙った。

そして、静かに問いかけた。

「7、咲さんが公園のベンチで泣いていたこと、覚えていますか?」

その言で。

私のが止まった。

7

私が15歳だったのことだ。

広告

のテストで赤点を取った。

今考えれば、それだけのことだった。

しかし父は答案を見つけるなり激した。

「何だ、この点数は!」

卓のへ答案を叩きつけ、声で鳴った。

母が止めようとすると、今度は母へ向かって言った。

「おが甘やかすからだ!」

そして最には、私へ吐き捨てた。

ていけ。おの顔なんか見たくない」

私はコートを取ることすらできず、した。

12の夜だった。

吐く息がく、い制だけでは寒さが肌を刺した。

どこへけばいいのか分からず、所の公園までった。

誰もいないベンチへ座り、そこで泣いた。

公園には灯が1つだけ灯っていた。

で、私は1だった。

あの、本当は誰かに声をかけてほしかった。

丈夫かと聞いてほしかった。

何があったのかと、ただ話を聞いてほしかった。

でも誰も来なかった。

なくとも、私はそうっていた。

「俺、あの公園のくにんでいたんです」

目のの剛の声で、私は現へ戻された。

「犬の散歩で通りかかりました。ベンチで泣いている女の子がいて、それが咲さんでした」

私は息を止めた。

「声をかけようといました。でも、が止まってしまって」

剛は自嘲するようにしだけ元を歪めた。

らない女の子に突然声をかける勇気がありませんでした。それで結局、そのまま通り過ぎました」

広告

剛の声がわずかに揺れていた。

作り話には聞こえなかった。

このは本当に、あの夜を覚えている。

に帰ってから、ずっと気になって眠れませんでした。翌朝また公園へったけど、当然もういなかった」

剛は俯いた。

「そのも何度か見かけたことがありました。咲さんがくで泣いていたり、1で歩いていたり」

私はらなかった。

私が誰にも見られていないとっていたを、覚えているがいた。

「何回もチャンスがあったのに、結局声をかけられなかった」

剛は静かに続けた。

「あの声をかけていれば、何か変わっていたんじゃないかって、何も考えていました」

私は何も言えなかった。

「お見いの写真を見た、すぐ分かりました」

「7なのに?」

「分かりました」

剛は迷わなかった。

「同じ目をしていたから」

「目?」

しいのをしているの目でした」

胸の奥を掴まれたような気がした。

「ずっと何かに耐えているの目。俺には分かりました」

私は線を落とした。

両親にも気づかれなかった。

にも言えなかった。

自分でさえ、耐えることが普通になりすぎて分からなくなっていた。

それを、このだけが見ていた。

すると剛は、テーブルの横に置いていた鞄から折り畳まれた類を取りした。

「これを見てください」

数枚のが、私のへ静かに置かれた。

「何ですか?」

「ご両親の借の完済証です」

瞬、言葉のが理解できなかった。

「……え?」

私は慌ててに取った。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: