"梅の下に眠る不動産王" 第4話
表をくと、内側に「社代」とだけ鉛でかれていた。
駐所を辞めたの私な記録らしく、付はびびだった。
「町内会夜回り当番」
「灯1つ切れ。役に連絡」
「隣で齢者を狙った話詐欺。回覧を作る」
「清さんの奥さん。86歳。子供の頃、飴をもらった」
子はページをめくり、19953のところでを止めた。
そこには、たった1だけ、こうかれていた。
「314午 宇井源郎 朝に来る。崎の墓にて。声かけず」
子はその文を3度読み返した。
宇井源郎。
聞き覚えがあった。ずいぶん昔、テレビで繰り返し報じられていた産王の名だった。
京で失踪したはずの男の名が、なぜ形のさな町にある父の帳へかれているのか。
翌、子は帳を持って久保沢町の駐所へ向かった。
父が勤めていた古い建物はすでに取り壊され、今はい箱のようなさな建物に変わっていた。入りには自転が1台止められ、板のに赤い球がついていた。
にいたのは、20代半の若い巡査だった。
「社代さんの娘さんですよね」
巡査のはちがり、子へをげた。
「葬儀に伺いました。このたびは、本当に……」
「ありがとうございます。あの、し変なことを申しげるかもしれませんが」
子は帳を差しした。
は指し示されたページを読み、顔をげた。
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「宇井というのは、テレビで報じられていた、あの方ではないかとうんです。もう8もですが」
はもう1度ページへ目を落とした。
事件当はまだ子供だったが、名はっていた。宇井源郎失踪事件は、警察官なら研修や未解決事件の話題で度はにする名な事件だった。
「崎の墓というのは、どちらですか?」
「町れの共同墓です。崎さんというは、私がまれるに京へていったそうです」
はしばらく黙って帳を見ていた。
このが何をするのかは分からない。それでも警察官として、机の引きしへしまってはいけない報だということだけは分かった。
「帳をお預かりしてもよろしいでしょうか?」
「はい。父も、そのつもりで残したのだといます」
子は子へ座り直し、父から聞いた話をいしながら続けた。
1995314の朝、退職も町を歩き回る習慣のあった社代は、共同墓のに見慣れない黒いが止まっているのを見た。
派なコートを着た配の男が、崎の墓のにっていた。あまりにもいかなかったため、声をかけようか迷ったという。
「でも、やめたそうです」
「なぜですか?」
「あのがあそこにっているところへ、割って入ってはいけない気がしたと言っていました」
子は膝ので両をねた。
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その数、テレビに宇井源郎の顔が映った。社代は、墓にっていた男と同じ顔だと気づき、すぐに京の警察へ話をかけた。
しかし、当は全国から膨な目撃報が寄せられていた。「あそこで見た」「ここで見た」という話が、1に何件も入っていたという。
形の元巡査が、墓のにつ老を見た。
その話も、量の報のへ埋もれてしまったのだろう。
「父には何の連絡もありませんでした」
子の声がしくなった。
「もう1度届けようとしたといます。でも翌、父は脳梗塞で倒れました。命は助かりましたが、半がうようにかなくなり、言葉も自由になりました」
それから社代は縁側へ座り、何も言わずを眺めることが増えた。
折、「あのはなあ」と呟いたが、子には誰のことを言っているのか分からなかった。
「今、分かりました」
子は初めて目元を押さえた。
「父は、ずっとあののことを気にしていたんです」
はそののうちに、県警本部へ報告をげた。
8の失踪事件。帳のたった1。目撃者はすでにしている。
組織のでどう扱われるか、若い巡査にも像はついた。それでもは、余計な推測を切かず、事実だけを順番に並べた。
社代慎介が見たもの。付と所。当、京へ話をしたが、捜査記録に残っていない能性があること。
報告の最に、はし迷ってから文を加えた。