"兄の嘘、妹のリボン" 第8話
伊は報告を握ったまま、しばらくかなかった。
4、証拠品袋ので眠っていたさなリボンが、ついに事件の瞬を語り始めた。
同じ頃、も再び警察へ姿を現した。
証言を変える代わりに受け取ったが捜査でらかになり、自分も罪に問われる能性を告げられていた。は受け取ったを返し、最初の証言を改めて記録してほしいと申した。
「拓也に頼まれて、席へ座っていました」
は俯いたまま話した。
「学証も預かりました。あので違いありません。自分が何を伝っていたのか、当はりませんでした」
渡辺が録音していた脅迫の通話も、捜査チームへ提された。
録音には、偽造類について黙り、警察への証言を撤回するよう求する声が残っていた。拓也が自分の秘密を隠すため、証へ圧力をかけていたことを示していた。
部管理会社のサーバーに残っていた映像も、正式な証拠として解析された。
事件当の午、拓也の席にいたのはだった。拓也は映像のどこにも映っていなかった。
伊たちは、当の幹線利用記録や駅周辺の映像、事件現にいの決済記録も洗い直した。拓也が使用していたカードで、事件当の夕方に故郷の駅くで買い物がわれていたことが判した。
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拓也のは、ごとに再現された。
午、学の図館へ入り、学証をへ預ける。幹線で故郷へ戻り、幸と接触する。
犯に駅へ向かい、再び京へ戻る。夕方には学へ姿を見せ、何事もなかったように自分の記録を完成させる。
その、妹がくなったという連絡を初めて受けたふりをし、始発の幹線で故郷へ戻る。ので泣き崩れ、誰よりもしむ兄を演じる。
4完璧に見えたアリバイが、映像と記録によって崩れていった。
幸の記。
の証言。
渡辺が残した録音。
偽造類を作り直した期。
幹線と決済の記録。
そして、リボンの結び目から検された圧迫痕と拓也のDNA。
別々の所に散らばっていた証拠が、1つの事件を示す形へ組みがった。
検察は資料を確認し、拓也の逮捕状を請求した。
再発のが町へ入るの朝、捜査員たちは京にある拓也の部を訪れた。
扉をけた拓也は、並んでつ刑事たちを見ても、すぐには表を変えなかった。その背には、何もらない恋がっていた。
伊が歩へた。
「拓也。妹の幸さんに対する殺容疑で逮捕する」
その瞬、拓也の目がわずかに揺れた。
恋は元へを当て、信じられないという表で拓也を見つめた。彼女がっていた名学の青も、妹いの優しい兄も、全てが偽りだった。
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錠をかけられた拓也は、何も話さないまま連された。=
取り調べへ入っても、拓也は容疑を認めなかった。
伊がDNA鑑定の報告を見せても、族なのだから触れたことがあって当然だと答えた。図館の映像を示しても、席をしただけで殺の証にはならないと言い張った。
幹線の記録や決済履歴を並べても、拓也は黙ったまま資料を見つめた。
「故郷へ戻ったことは認めます」
しばらくして、拓也はい声で話した。
「でも、妹には会っていません」
4守り続けてきた仮面は、数々の証拠をにしても簡単には崩れなかった。
伊は最に、幸の記を机へ置いた。
拓也は初めて、そのノートへく線を止めた。
伊はページをき、幸が最に残した文章を静かに読みげた。
「お兄ちゃんの学へったけど、お兄ちゃんの名がなかった。何かあったのかな。配だから、そっと聞いてみなくちゃ」
取り調べに、幸の言葉だけが残った。
妹は兄を責めていなかった。
嘘を両親へ告げ、兄のを壊そうともしていなかった。何か事があるのなら助けたいと、最まで拓也を信じていた。
拓也の唇がかすかに震えた。
伊は何も言わず、記を拓也のへ置いた。
拓也はページにかれた妹の文字を見つめ続けた。やがて両で顔を覆い、子の背もたれへく体を沈めた。
「幸が……学へ来たんです」
声はさく、乾いていた。
事件の数、幸は突然、拓也へ連絡してきた。