"残り物少年の奇跡" 第7話
「翔太君は、きくなったら何になりたいの」
「寂しいを助ける仕事がしたいです。社会福祉士みたいな仕事かもしれません。でも、名は何でもいいです。ただ助けたいんです」
「どうして孝志が歩けるようになることが、あなたにはそんなに切なの」
翔太は孝志へ目を向けた。
「佐藤さんには、まだ切な仕事が残っているからです」
「どんな仕事」
「輝さんのお父さんになること。恵子さんと、ちゃんと話すこと。佐藤さんみたいにしんでいるを助けることです」
恵子は胸の奥にいものがこみげるのをじた。
「どうして、孝志が私と仲直りしたいとっていると分かるの」
「佐藤さんがあなたの話をするの顔を見れば分かります。それに、恵子さんが佐藤さんを配していることも、話し方を聞けば分かります」
「私は、別に良いことを言っていないでしょう」
「でも、ここへ来ました」
翔太はそれだけ言うと、事を続けた。
、恵子はが孝志のへを置く様子を見守った。目つきはなかったが、終わったの孝志の顔には、何も見たことのない純粋な希望が浮かんでいた。
「本当に、孝志が歩けるとっているの」
「はい」
「なぜ、そんなに確信できるの」
「佐藤さんには歩くことが必だからです。それに、は医学だけでは直せないものを直すことがあります」
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その夜、翔太が帰ったも、恵子は孝志の部に残った。
「彼は議な子ね」
「ああ」
「もし本当に歩けるようになったら、あなたはどうするの」
孝志はすぐに答えられなかった。
「考えるのが怖い。失ったとっていたものすべてと、違う未来があったかもしれないと向きうことになる」
「私も怖いわ。もしあなたが回復したら、私たちが苦しんだ3は何だったのかとってしまいそうで」
2はい、言葉を交わさなかった。だがその沈黙は、婚のたい沈黙とは違い、互いの痛みを初めて同じ所から見つめるになっていた。
方、会社では本が取締役会を招集する準備をめていた。孝志が欠席した会議、訪問しなかった現、へ任せた業務を記録し、体な職務遂能力がないと証しようとしていた。
曜の午、孝志は必な資料をすべて読み込んだうえで会議へ入った。取締役には本、法律顧問の渡辺、会計責任者の岡田、部投資の佐々と藤本が席していた。
本は置きもなく議題を切りした。
「会社の将来の指導体制について話しいたい。佐藤、そろそろ顧問なへ移り、体に業務をえる者へ常運営を任せるべきだ」
孝志は子をテーブルへ寄せ、本を見据えた。
「私の判断力は損なわれていない。
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必な責任も果たしてきた」
「現へけない。施を直接確認できない。業者や作業員との関係も維持できない」
「必な業務は、適切な者へ任せている」
「任せることと、指導することは違う」
部投資の佐々が資料をめくりながらを挟んだ。
「会社の業績は、この数週で改善しています。期も予算も守られている。代表を変える理由は見当たりません」
本はで笑った。
「なものです。障害を抱えた社の限界を提に、持続能な会社は築けません」
その言葉は、孝志の胸を平で打つように響いた。瞬、事故の絶望が戻りかけたが、その、翔太の声をいした。
違いがを決めるのではない。その、どうするかが切なのだ。
「私は3、子からこの会社を指揮してきた」
孝志はを抑え、静かに言った。
「収益を維持し、契約を守り、業界での信用も失っていない。私の経験、判断力、会社への責任は損なわれていない」
「だが、あなたは子だ」
本の言葉で会議が静まり返った。
その瞬、孝志のにいしびれがった。続いて、無識にかしたいという衝がまれ、テーブルのでがわずかにへいた。
孝志は表を変えなかったが、臓は激しく鳴っていた。今のきは錯覚ではなかった。
「そうだ。私は子に乗っている」
孝志は本から目をそらさなかった。
「だが、精神も経験も失っていない。退任させたいなら、正式な続きを取れ。