"残り物少年の奇跡" 第1話
翔太は、3にごみ箱のそばで見つけた破れた靴を履き、汚れの落ちないをにつけて町を歩いていた。まだ8歳だったが、空腹で胃が痛むでさえ笑顔を絶やさないことが、でき残るために必なのだとっていた。
両親は、翔太が6歳のに起きたバス事故でくなった。頼れる親族もなく、それ以来、昼は町を歩き、夜は空きのあるシェルターや公園の物で眠る活を続けていた。
夕暮れが町を包み始めた頃、翔太は都でも特に格式のいレストランのでを止めた。きな窓からのがこぼれ、価な料理のりがえた歩にまで漂っていた。
級の裏では、々、まだべられる料理が捨てられることがある。だが、そうしたほど、汚れたを着た子供に厳しいことも翔太はっていた。
それでも、のから何もべていなかった。翔太は腹を押さえて度だけ息をえると、いガラスの扉に両をかけ、力を込めて押しけた。
内に入った瞬、料理を運んでいたウェイターたちのが止まった。いテーブルクロス、磨かれた器、落ち着いた音楽ので、のついた靴を履いた翔太の姿はあまりにも違いに見えた。
背がく、髪のひげを蓄えた田支配が、険しい表でづいてきた。翔太のにつと、周囲の客に聞こえないよう声を抑えながらも、拒むような調で言った。
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「坊主、ここにいてはいけない。おが来る所ではないぞ」
翔太は逃げるように線を落とすのではなく、胸ので両をそろえてをげた。
「すみません。しだけ、べ物を探しているんです。誰の邪魔もしませんから」
「駄目だ。へなさい」
田が翔太の肩へを伸ばそうとした、の目がの奥で止まった。部の隅にあるテーブルで、子に座った男性が1きりで事をしていた。
その男のには、半分以残されたサーモンの皿が置かれていた。だが翔太が気になったのは料理ではなく、男性の顔に浮かんでいた、い誰にも届かなかったようないしみだった。
翔太は田の腕をすり抜けると、そのテーブルへ向かった。田が慌てて呼び止めたが、翔太は振り返らなかった。
子の男――佐藤孝志は、皿からゆっくりと顔をげた。45歳の孝志の顔には、あらゆる希望を失っただけが持つ険しいしわが刻まれていた。
3、孝志は自事故で脊髄を損傷し、半随になった。事故によって歩く力を失っただけではなく、庭活も、を信じる気持ちも、自分自を許す力も失っていた。
「何の用だ」
孝志が荒々しい声で尋ねると、翔太はテーブルの脇でをそろえた。残された料理を見た、孝志の顔をまっすぐに見げた。
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「あの、もしべ残しがあるなら、し分けていただけませんか。昨から何もべていないんです」
孝志はの汚れた袖と破れた靴を見ろした。その目にはれみではなく、い自分を守るためににつけたたさがあった。
「おのような子供は、この町に何百もいる。なぜ俺がおに何かを与えなければならない」
たい言葉を浴びても、翔太は逃げなかった。歩だけ子へづき、孝志の目を見つめた。
「だって、神様にはまだあなたへの計画があるからです。あなたの目を見れば分かります」
孝志はわず息を止めた。事故以来、々は彼をれみ、気遣い、には腫れ物に触るように扱ってきたが、これほど穏やかな確信を持って話しかけてきた者はいなかった。
田支配が追いつき、何度もをげた。
「佐藤様、変申し訳ございません。すぐにこの子をへしますので」
孝志は片をげて田を止めた。線は翔太からさなかった。
「待て。名は何だ」
「翔太です」
「族はいるのか」
翔太は瞬だけまぶたを伏せたが、すぐに穏やかな顔へ戻った。
「今、緒にんでいる族はいません。でも、僕は決して1じゃありません」
奇妙な答えに孝志は眉を寄せた。財布から幣を取りし、へ差しした。
「これを持って、もうけ」
翔太は幣を見たが、を伸ばさなかった。
「おはいりません。