"天井裏の元彼" 第5話
それが最も単純で、論理な説だった。
何より、そう信じたかった。
自分のがおかしかったとうほうが、井の向こうに本当に誰かがいたと考えるより、まだ耐えられた。
里奈がていった部は、数か空になっていた。
20135、元の学に通う若い男女が入居した。
2は内部でい部を見つけられたことをんでいた。建物が古いことも、部が狭いことも気にしなかった。
壁を塗り直し、具を持ち込み、学らしい活を始めた。
彼らがみ始めてから、奇妙な物音やべ物の消失は起こらなかった。
ほぼ1、部には何の異常もなかった。
変化が現れたのは、2014のだった。
寝で、甘ったるく腐ったような臭いがする。
最初は古い配管からがってきたの臭いだとった。
窓をけ、消臭剤を置くと、にくなった。
しかし数、臭いはまた戻ってきた。
季節がかくなるにつれ、臭いはくなった。
特に寝の井付から漂ってくる。
管理会社に連絡し、配管業者にも調べてもらった。
だが、パイプに異常は見つからなかった。
「壁のでネズミでもんだんじゃないでしょうか」
業者はそう言った。
20147。
福岡の蒸し暑さが本格になると、臭いは耐えがたいものになった。
部を換気しても消えない。
やカーテン、具にまで染みついた。
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友を招くこともできず、隣民から苦までるようになった。
若い2は、害虫駆除の専業者を呼ぶことにした。
物の骸が井か壁のにある。
そう確信していた。
防護とマスクを着用した作業員が2、部へ入った。
特殊な器を使って臭いの発源を調べた結果、反応が最もかったのは寝の井だった。
作業員はベッドを移させ、脚をてた。
井は膏ボードのパネルで作られた吊り井だった。
具を差し込み、パネルの1枚を慎に取りす。
その瞬、作業員のが止まった。
懐灯のが、配管のを照らした。
「……だ」
もう1の作業員がずさった。
井と根のにある狭い空。
その奥で、の遺体が横たわっていた。
遺体は横向きになり、膝を胸のくまで曲げていた。
きな胎児のような姿勢だった。
黒いジーンズと黒いスウェットシャツをにつけていたが、は劣化し、体は根裏の暑さと乾燥によってほぼミイラ化していた。
遺体のくには、古いリュックサックがあった。
には空になった品の袋や、液体がわずかに残ったペットボトルが入っていた。
作業員はすぐに警察へ通報した。
マンションは封鎖され、捜査員と鑑識担当者が集まった。
遺体は慎に井裏から運びされ、元確認と司法解剖のために送られた。
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しかし、井裏で発見されたのは遺体だけではなかった。
そこは、誰かが期暮らしていた所だった。
寝のベッドが置かれていた位置の、ちょうど真。
梁と配管のに、古い毛布が敷かれていた。汚れた枕も置かれている。
周囲にはインスタントラーメンの袋、菓子の包み、数本のペットボトルが散乱していた。
の入っていたボトルだけではない。
尿が入ったものもあった。
別の隅には、排泄物が入ったビニール袋がいくつも残されていた。
誰かがに隠れたのではない。
期、ここで活していた。
そして捜査員は、さらに恐ろしいものを発見した。
寝の井にけられた、数個のさな穴だった。
から見ただけでは、膏ボードの染みや傷にしか見えないほどさい。
しかし井裏から覗けば、部のが見渡せる。
ベッド。
ソファ。
キッチン。
テレビ。
着替えをする所も、眠っているの顔も見ることができた。
根裏にんでいた物は、穴を通してのを監していた。
毎。
そして毎晩。
現の入居者である学の男女は、警察から説を受け、言葉を失った。
自分たちは約1、遺体の真で眠っていた。
それ以には、きたが同じ所に潜んでいた。
だが2が入居した頃には、井裏の物はすでにしていたと考えられた。
べ物が消えることも、物音がすることもなかった理由は、それだった。
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