"復讐とんかつの逆転便" 第8話
マンションへ戻った琢磨は、照もつけずにパソコンを起した。
窓のには無数のかりが並んでいたが、部のは静まり返っている。
琢磨は全フーズの特許文をいた。
「答えは、必ずこのにある」
自分へ言い聞かせるように呟き、文章を最初から読み始めた。
特許の文面は専用語がく、法律の識だけでは理解できなかった。
琢磨は品製造械に関する資料を集め、分からない技術を1つずつ調べた。をつける程、却方法、凍の処理、で使用する械の構造。
翌朝になっても、作業を止めなかった。
社員が社すると、琢磨は目を赤くしたまま会議に座っていた。
「社、帰ってないんですか」
声をかけられても、資料から顔をげなかった。
「まだ調べることがある」
社員たちは配そうに顔を見わせたが、琢磨の表を見て何も言わなかった。
1目が終わり、2目が過ぎた。
琢磨はほとんど眠らず、データを読み続けた。
全フーズの特許の全文を分解し、柏の製法と照らしわせる。
そして3目のけ方、ついに決定な違いを見つけた。
全フーズの特許は、での量産を提とした械式のづけ程に関するものだった。
肉を定の隔で搬送し、液体とパンを械で付着させ、圧力を加えてを固定する。
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方、柏のとんかつは創業以来、すべて作業だった。
職が肉の状態を見ながら麦をつけ、卵液へ通し、のひらでパンを軽くまとわせる。を押しつけず、空気を含ませることが、あの軽いをみしている。
使用する具も、程も、技術な目も異なっていた。
「侵害してない」
琢磨は子からちがった。
「最初から、まったく別のものだ」
さらに琢磨は、全フーズが過に起こした特許訴訟を調べた。
すると、自然な事実が見つかった。
全フーズは、この10で複数の品会社へ特許侵害警告を送っていた。
だが、実際に裁判へんだケースは1件もなかった。
警告を受け取ったさな会社は、訴訟費用と企業イメージの悪化を恐れ、商品を自主に販売止していた。
全フーズは裁判で勝つ必などなかった。
巨企業の名が入った警告を送りつけるだけで、相が撤退していたのである。
「脅して、潰してきただけか」
材料は揃った。
だが、琢磨はすぐにはけなかった。
裁判で争えば、勝てる能性はい。
しかし判決がるまでにはいがかかる。柏はその、と費用負担に耐え続けなければならない。
期で決着をつけるには、全フーズが引かざるを得ないカードが必だった。
琢磨のに浮かんだのは、過10の警告履歴を業界メディアへ公する方法だった。
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技術に侵害が成しない企業へ圧力をかけ、競商品をから排除していた能性。
この事実が報じられれば、全フーズにとって訴訟以の打撃になる。
だが、このを使えば、相を完全に敵へ回すことになる。
報復として、琢磨のECサイトから全フーズ系列の商品が斉に引きげられるかもしれない。
全フーズ関連商品の売は、会社全体の約3割を占めていた。
それを失えば、会社の経営はきく揺らぐ。
社員の顔が浮かんだ。
俺たちのことも考えてくださいよ。
あの言葉が、の奥に残っていた。
琢磨はい、窓のを見つめた。
やがてちがり、全社員へ会議へ集まるよう連絡した。
社員たちが席へ着くと、琢磨は調査した内容を説した。
柏の製法と特許が、技術に別物であること。
全フーズが過にも同様の警告を繰り返していること。
相へ撤回を求めるため、業界メディアへの報提供を交渉材料に使いたいこと。
そして、その結果として全フーズとの取引を失い、売がきく落ちる能性があること。
「俺は、柏の商品を守りたいとっている」
琢磨は全員の顔を見た。
「だが、この会社は俺1のものじゃない。全フーズを敵に回せば、皆の活にも響がる。反対なら、正直に言ってほしい」
誰もをかなかった。
い沈黙が続いた、以「俺たちのことも考えてください」