"21年目の誤公式" 第10話
1つの係数だけがずれ、定に揺れていた音は、今では正しい所へ戻っていた。
けれど、あのに正されたものは、数式だけではなかった。
子どもの言葉は軽いという考え。
国から来たの覚は信頼できないというい込み。
残ってきたものだから正しいはずだという油断。
それらもまた、ひなのさな指摘によって静かに揺らぎ始めた。
学の教授たちは、自分たちの過ちを認めた。
研究者たちは、誰が発言したかではなく、何が示されているかを見る必を改めて学んだ。
そしてひな自も、自分の声がさいからといって、価値までさいわけではないことをった。
墓参りを終え、母娘は桜並のを戻り始めた。
途でひなはを止め、振り返った。墓はい落ちるびらの向こうで、静かにのを受けていた。
「おじいちゃん」
最にもう度だけ呼びかける。
「私、これからも聞くね。数字の音も、のの音も」
返事はなかった。
それでも、に揺れる桜の枝が、ゆっくりと頷いたように見えた。
ひなは母のもとへり、差しされたを握った。2の元では、びらが途切れることなくの先へ続いていた。
21、誰にも気づかれなかったさな誤りは、8歳の女がじた1つの違かららかになった。
たちに笑われても、国から来た子どもとして奇異な目を向けられても、ひなは数字から聞こえた音を放さなかった。
あの、ロビーの片隅で発した声は、最初は誰にも届かないほどさなものだった。
けれど、その声は1枚のとなり、教授たちの机へ届き、21かなかった真実をかした。そして今も、数字を苦だとっていた子どもたちや、自分の覚を信じられずにいる々のへ、静かに広がり続けている。
学びに、齢も国境もない。
正しい答えへづくために必なのは、きな声でも、派な肩でもなかった。
自分がじたさな違を無せず、確かめるための歩を踏みすこと。
そして、誰かのさな声が届いた、笑わずにを傾けることだった。