"10年目のハザード" 第7話
宮本はゆっくり顔をげた。
「これは、ただの失踪やない」
声には、い抑え続けてきたりがにじんでいた。
「藤さんは、何かを見たためにを封じられたんや」
窓のには初の差しがり注いでいた。
命に満ちた季節とは対照に、宮本の胸には1999のたいがよみがえっていた。
えた噌汁も、内側から閉ざされた鍵も、速のタクシーも、同じ事件のにあった。
宮本は定を目に控えていたが、もう迷いはなかった。
残されたをすべて使い、達夫が見たを捜しす。そして藤を連れった者たちの正体をらかにする。
「必ず見つける。今度こそ、あんたらをに帰す」
達夫のテープに残されていたがかりはくなかった。
神戸からを越える。
複数の男。
面に埋められたきな袋。
宮本は、この細い糸を1本ずつたぐり寄せることにした。
10凍りついていたが、古い団の取り壊しとともに再びき始めた。
の音が敷へ響き、建物がしずつ崩されていった。その瓦礫のから、決して消えることのない1の男の声がよみがえったのだった。
テープを聞いたから、宮本の捜査は再された。
季節は初から本格なへ向かい、朝から蝉の声が響くようになっていた。しかし宮本ののには、達夫が見た暗いのことしかなかった。
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達夫は、きな袋のようなものを男たちが面へ埋めていたと語っていた。
もしそれがであったなら、藤が消えるに、神戸周辺で誰かが方になっている能性がかった。
宮本は1999の未解決事件を、古い資料で片端から調べ直した。
老鏡をかけ、机のさなかりのでファイルを1冊ずつめくった。方になった、最に確認された所、職業、交友関係をへきしていった。
数、宮本のが1冊のファイルで止まった。
藤の失踪より約1か、神戸内で1の男性が突然姿を消していた。
男性は、ある運送会社で経理を担当していた佐野という物だった。
佐野は仕事を終えて会社をた、へ帰らないまま方が分からなくなっていた。や所持品にも決定ながかりがなく、神戸の警察が調べたものの、事件は未解決のままになっていた。
宮本は佐野の勤務先について記された部分を注く読んだ。
表向きは般な運送会社だった。しかしその裏で、反社会な集団とつながり、正なをかしているという噂があった。
経理担当だった佐野は、会社のの流れを把握できるにいた。
「これや……これがつながるかもしれん」
宮本はファイルを抱え、神戸の警察へ連絡した。
当の捜査記録を見せてもらい、佐野が消えたと、達夫が神戸まで距客を乗せた期を照した。
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期は驚くほどかった。
佐野が方になった数、達夫は神戸まで客を運んでいる。そして、その帰りにで男たちがきな袋を埋める現を目撃した。
ばらばらだった来事が、ひとつの流れを作り始めた。
会社の正をりすぎた佐野が、を封じられたのではないか。その、へ運ばれ、埋められる現を達夫が偶然見てしまったのではないか。
達夫が神戸まで乗せた客が事件に関係していたのか、それとも客をろした帰りに偶然現を通りかかったのかは分からなかった。
いずれにしても、達夫は男たちに顔とのナンバーを見られた。
宮本は歯をいしばり、資料を握りしめた。
「運が悪かったなんて言葉で、片づけられることやない」
事件からすでに10が経過していた。
当の運送会社は倒産し、関係者は各へ散っていた。すでにくなった者もいれば、所が分からなくなっている者もいた。
宮本は定を迎えたも、嘱託というで捜査に関わることを許された。
わずかな記録を頼りに、元従業員や取引先を1ずつ訪ねた。宮本の姿を見るなりドアを閉める者もいれば、「10ものことは覚えていない」と顔を背ける者もいた。
会社と関係していた者たちを恐れ、を閉ざす者もなくなかった。
それでも宮本はを止めなかった。