みかん小説
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"母の墓に立つ母" 第14話

「お約束がなければ難しいです」

美優は引きがらなかった。

「お願いします。しだけでいいんです。どうしても、お話ししなければならないことがあるんです」

声が次第にきくなっていった。

警備員2づいてきて、美優の腕を掴もうとした瞬、美優はをひるがえし、ずさった。ロビーにいた々の線が、1、また1と集まり始めた。

その騒ぎがいっそうきく響き渡っただった。

ロビーを横切っていた老紳士のが止まった。

だった。

騒ぎのつ美優を見て、彼はを止め、その顔をじっと見つめた。言葉では説できない見覚えのある覚があった。

「どうなされた?」

の問いに、警備員たちが戸惑った様子でがった。

美優はその瞬を逃さなかった。震える息をえ、敬をまっすぐ見つめた。

「会しだけおをいただけないでしょうか。どうしてもお話ししたいことがあります」

はしばらく美優の目を見つめていた。その瞳に宿る切実さが尋常ではないことをじ取ったのだ。

やがてく頷き、美優を会へ案内した。

きな窓の向こうには都景が広がっていた。美優はソファの端に恐る恐る腰かけた。指先がかすかに震えている。

しばらくためらった、美優はついにいた。

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「私は、田さんとご縁のあった者です」

のまなざしが瞬揺らいだ。

美優は震える声で、10の図館での会い、突然の別れ、そして妊娠、産、姉が子どもを連れて姿を消した経緯を、1つ1つ語り始めた。

話をめるうちに、これまでみ込んできたしみが喉元まで込みげてきた。ついに、こらえていた涙が頬を伝って流れ落ちた。

「私の姉が、私に代わってあの子を守ってくれました。で1で子どもを育て、そして3くなりました。ですが、今その子がへ養子にされようとしています」

美優は両を組み、げた。

「どうか止めてください。あの子は、健さんの息子です」

い沈黙がりた。

はしばらく何も言わず、美優の顔をじっと見つめていた。その顔のどこかに、い昔に忘れてしまった何かを見たような気がした。

やがて敬い声でいた。

「そのに、本当に々の血を引いているのか、確認させてもらわねばならん」

はすぐに秘川を呼び寄せた。

美優から聞いた話の経緯をく伝えた、敬はきっぱりと指示した。

関に鑑定を依頼しろ。がない」

川はすぐ始した。

施設への支援を検討しているという名目でづき、ごく自然にハルトに話しかけ、会話をしながら髪の毛を数本慎に採取した。

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そして最も迅速だというDNA鑑定関へ急した。

結果がるまで、残されたくなかった。

しかしそのい数が、美優にとってはこれまでのどんなよりもじられた。

結果を待つ、敬はただ座っていたわけではなかった。

川に静かに命じ、施設の資の流れや最の養子縁組続きについて密かに調査させた。

程なくして、川がい表で報告をげた。

「会。施設に流れた寄付所を追跡したところ、副会座とつながっていました」

の顔が瞬でこわばった。

輝の名がそこからてくるとはっていなかった。

は何も言わずにその事実を胸にしまい込み、鑑定結果がるのを待った。

その頃、すべてを引き起こした輝から、施設の川崎へ1本の話がかかっていた。

「予定をこれ以延ばさないでください。今週に終わらせてください」

く断固とした声だった。

川崎はや汗を流しながら、何度もげた。

話を切るとすぐ、彼は慌てて類の束を取りした。すでに数週から準備していたパスポートと類だった。

元々予定されていたを4めるようにという指示が、即座に施設内へされた。

ハルトはわけも分からないまま、施設の職員にを引かれ、古い鞄にを詰め込まなければならなかった。

「どうして急に今なんですか?」

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