"湖底の五本柱" 第8話
寺を撃った古い拳銃。
相馬がった鐘の音。
そして姿を消した茂蔵。
彼は本当に被害者なのか。
それとも、すべてを操る黒幕なのか。
その夜、病院に収容された相馬の病で異変が起きた。
夜2、た。
さらに、茂蔵の過を洗っていた捜査員が、の古文から驚くべき記録を見つけした。
治代、この鏡で起きた事件に関する記述だった。
の力者たちがを巡って争い、殺しい、その体を旧坑に隠したという伝承である。
は、その事件にく関わっていた。
藤ので、ばらばらだった断片が気な絵柄を描き始めていた。
これは単なる銭トラブルではない。
ダムに沈むの因縁が、100以のを超えて現代のたちをみ込んだのかもしれない。
寺を撃った古い拳銃。
相馬がった鐘の音。
そして姿を消した茂蔵。
彼は本当に被害者なのか。
それとも、すべてを操る黒幕なのか。
その夜、病院に収容された相馬の病で異変が起きた。
夜2、見回りの護師が、相馬のいないベッドを発見したのである。
窓がけ放たれ、が吹き込む病には、1枚のメモが残されていた。
そこには震える文字で、こうかれていた。
「鐘を戻さなければならない。皆、底に沈むに」
相馬は脱した。
真の夜、病のにコートを羽織っただけの姿で、彼は再びあのダムサイトへ、に閉ざされた鏡へ向かったのだ。
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藤は直した。
相馬は何かを埋めにったのではない。
何かを終わらせにったのだ。
最の台は、没を待つ龍鳴寺。
そこに全ての答えと、最の者が待っているはずだった。
藤警部がハンドルを握る覆面パトカーは、猛吹の、界ほぼゼロの林をうように駆けがっていた。
ワイパーが必にを払いのけるが、フロントガラスには次々とい塊が叩きつけられる。
夜3の鏡は、世界から切りされたい獄と化していた。
「警部、このではこれ以両での侵入は能です」
助席の部が鳴にい声をげた。
「構わん。けるところまでく。相馬は徒歩だ。この極寒の、くは持たない」
藤の脳裏には、相馬が残したメモの言葉が焼きついていた。
鐘を戻さなければならない。
相馬は正気ではない。
だがその狂気こそが、事件の空を埋める唯のピースだった。
龍鳴寺の参入、かつてセダンが発見された広ので、パトカーはだまりに突っ込み、かなくなった。
藤たちはを捨て、懐灯と拳銃を装備してへびした。
速20メートルを超える暴。体温度は氷点をはるかに回る。膝まで埋まるをかき分けながら、彼らは寺を目指した。
のに、龍鳴寺の本堂が黒い獣のようにうずくまっていた。
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境内は静寂に包まれているかとわれたが、の音に混じって奇妙な音が聞こえてきた。
いものが擦れる音。
そして、荒い息遣い。
藤はの束を向けた。
「そこまでだ。相馬さん」
の先、ブルーシートが剥がされた釣鐘堂の跡で、相馬賢が膝をついていた。
彼は面に横たえられた巨な梵鐘に、凍傷でに変した両をかけ、必に押そうとしていた。
さ1トンを超える青の塊が、のでくはずもない。
それでも相馬は、うわごとのように呟きながら、爪が剥がれるのも構わず梵鐘を押し続けていた。
「戻さなきゃ……蓋をしないと……てくる。あいつがてくる」
藤は部に図し、相馬を取り押さえにかかった。
「せ、してくれ。おらには分からないんだ」
相馬は尋常ではない力で抵抗したが、屈な捜査員2に組み伏せられた。
藤は相馬の目のに膝をつき、襟元を掴んで叫んだ。
「相馬さん、落ち着け。何がてくるんだ。さんはどこだ」
。
その名を聞いた瞬、相馬の目から涙が溢れした。
恐怖による涙だった。
彼はガタガタと震えながら、線を梵鐘の、に覆われた面へ向けた。
「いないんだ……いない。俺たちが殺したんだ。違いなくんでいたんだ。脈もなかった。が割れていたんだから」
相馬は絶叫した。
「でも、消えたんだよ。
俺が確認しに戻ったら、体だけが消えていたんだ」
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