"止められた12枚" 第3話
健の浪費、料接待費と称した私支、都の暴言の録音、族カードの利用履歴。証拠はほどあった。彩子が黙ってきたのは、何も見ていなかったからではない。
すべて記録していたからだった。
訴訟は彩子の圧勝に終わった。
彩子は慰謝料を受け取らない代わりに、財産分与なしで健と綺麗に別れた。もも会社も、すべて彩子の名義だったため、健と都には何も残らなかった。
だが、当の2は状況をまるで理解していなかった。
むしろ彩子がていったことで、厄介払いができたとんでいた。
「ああ、清々した」
都は空っぽになったリビングできく伸びをした。
「あの気のい女がていって、のにが咲いたようだわ。健、もう気を遣うことはないわよ」
健はソファでふんぞり返りながら、嫌よく笑った。
「そうだな。彩子はの話ばかりで息が詰まったよ」
都は嬉しそうにスマートフォンを取りした。
「お母さんが今度こそ、とてつもないお嬢様を見つけておいたから」
「本当か、母さん」
「もちろんよ。30代半ばで、京できな美容関連の事業をしているんですって。資産は何百億円だとか。あなたのことが好きだって言っているの」
都は画面を健に見せた。
そこに映っていたのは、華やかな雰囲気の女だった。全を級ブランドで固め、派なメイクで笑っている。
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「うわ、本当に美だ。こんな女性が俺のことを好きだって?」
健は画面にいついた。
「さすが母さんの力はすごいな」
そのしい嫁候補が、弓だった。
弓はその界隈では名な詐欺師だった。級ブランドと派な肩きでを固め、相の欲をくすぐりながらを引きす女だった。
しかし、にしか興のない健と都の目には、彼女が救世主に見えた。宝くじの1等が向こうから転がり込んできたようにえたのだ。
弓もまた、健について勘違いしていた。
元妻がベンチャー企業の代表で、港区の層マンションにんでいた。元妻のカードで派に支払いをしていた。そんな話を聞き、弓は健自にも相当な資産があるとい込んだ。
だからづいた。
「あなたみたいな男性、初めて」
弓は健の腕にそっと触れた。
「頼りがいがあって、男らしいわ。ゴルフをするのフォームも、まるでプロ選みたいだった」
健はのを伸ばした。
「本当か? 弓はを見る目があるな。元妻はいつもの話ばかりして、俺を馬鹿にしていたんだ。やっぱり弓は違う」
「私、健さんとなら幸せになれるとうの」
弓は甘い声で囁いた。
「今度の婚約式はホテルでしたいんです。私の友達はみんな響力のあるたちだから、綺麗な写真を撮ってSNSに載せれば、健さんの株もがるじゃないですか」
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「いいね。派にやろう」
「費用は配しないでください。あとでご祝儀が入ったら全部お支払いしますから。とりあえず健さんがて替えてくれませんか」
健と都は、その言葉にすっかり騙された。
元妻の彩子に見せつけるように、派にやりたいという見栄もあった。2は最級のSホテルを貸し切り、盛な婚約式をくことにした。
そのらせは、秘を通じて彩子のにも入った。
「代表、元ご主のご族が本、Sホテルでパーティーをくそうです。弓という女性との婚約式も兼ねているとのことです」
秘は元のタブレットを見ながら、慎に報告した。
「いかがしますか?」
彩子は類から顔をげた。
「そう。ちょうどよかったわね」
彼女は静かにコーヒーカップを置いた。
「あのたち、まだ私の族カードを持っているでしょう。解約せずにおいたのが功を奏したわね」
秘の目がわずかに細くなった。
「では」
「今が決よ。今すぐカード会社に話して、12枚すべてに盗難・紛失届けをしてください。法関連カードも、族カードも、1枚残らず止めて」
「はい、かしこまりました」
秘はすぐにきそうとして、ふとを止めた。
「しかし、あの方たちは相当な恥をかくことになりますね」
彩子は窓のに広がる京のを見ろした。
「恥をかくだけじゃ済まないわよ」
彼女の声はたかった。
「あの女は詐欺師なの。