"20年目の神隠し夫婦" 第4話
通報から数、のどかな島は物々しい空気に包まれた。
元警察だけでなく、保庁、消防隊までもが流し、規模な捜索が始まった。照りつける太陽の、捜索隊は汗だくになりながらいた。
辺の砂浜。
波が打ちつける防波堤。
暗い林。
けのない。
「探せ。どんなさなものでも見落とすな」
号がび交う、警察犬も投入された。民宿の部に残されていたから匂いを辿らせたが、犬たちは岸線でぴたりとを止めた。そして迷ったようにを鳴らし、同じ所をうろうろと歩き回るばかりだった。
では潜部隊がく暗い底を探った。だが、靴の片方すら見つからない。
あらゆる所を調べたにもかかわらず、成果はゼロだった。
まるで2の肉体そのものが、空気のに蒸発してしまったかのようだった。
捜索2目、刑事たちは民宿の周辺にある商やを1軒ずつ回った。
「この2を見ませんでしたか?」
2が笑顔で写る写真を見せて尋ねるが、誰もが首を横に振った。昨の夕方、辺を歩いている婚らしい男女を見た気がするというはいた。だが、それは警察がすでに把握している帯の話で、失踪そのものにつながる証言ではなかった。
で稼ぐ捜査も、むなしく空振りに終わっていった。
事態がしだけいたのは、4目のことだった。
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1の観客から、警察に力な報が寄せられたのだ。
「あの、夜10頃だったといます。防波堤のくで、言い争うような声を聞きました」
通報者の声はし怯えていた。
聞こえたのは、泣きじゃくる女性の声だったという。暗くて顔までは見えなかった。ただの痴話げんかだろうとい、の面倒に巻き込まれたくなくて、そのままに通り過ぎたのだと語った。
ブログが更された夜915分。
その45分の来事である。
事件の輪郭が、暗のからしだけ浮かびがった瞬だった。
警察はすぐに防波堤帯を再捜索した。巨な消波ブロックの隙を力なライトで照らし、岩にいつくばって痕跡を探した。
しかし、何もなかった。
血痕も、破れたの切れ端も、揉みった跡すらなかった。
そこにあるのは、無質なコンクリートと、無に打ちつける波の音だけだった。
事故か。
事件か。
それとも自発な失踪か。
警察は考えられる全ての能性を検討した。けれど、どのシナリオを裏付ける証拠も、1つとして見つからなかった。
捜査という名のは、そこで濃いのへ迷い込んだ。
失踪から1週が過ぎる頃、奄美島の辺で起きた事件は、全国なニュースへと発展していた。
テレビのワイドショーでは、「婚夫婦、謎の神隠し」という見しが連踊った。
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スタジオでは評論や元刑事が刻な表で推測を語り、現からの継では、民宿の観や防波堤が何度も映しされた。
全国から目撃報も寄せられた。
「京で似た夫婦を見た」
「幹線に乗っていた」
「沖縄きのフェリーで2を見かけた」
しかし確認するたび、すべて別だった。
事態が期化するにつれ、世の関は次第に暗く歪んだ方向へ向かい始めた。
インターネットの匿名掲示板では、顔のない群衆が、全な暗のから無責任な憶測を投げ始めた。
「あんな島で2そろって事故に遭うわけがない」
「自作自演の夜逃げだろう」
「保険目当てか、借から逃げるためじゃないの」
「親も計画をっていて、泣く演技をしてるんだろ」
根拠のない悪ある言葉が、毎秒のように画面を埋めていった。
それは、残された族のをずたずたに引き裂く刃だった。
さらに、警察の事聴取から漏れた断片な報が、疑惑にをつけた。
俊介の同僚はこう証言した。
「さんは最、どこかここにあらずで、ぼんやりしていることがありました」
友の1は言った。
「元々、に結婚する予定だったのに、急ににまったんです。婚旅も、最初は沖縄のはずだったのに、しおりがどうしても奄美のが見たいと言って変更して……」
そして、ある週刊誌のえげつない見しがコンビニのラックを飾った。
「消えた婿の裏の顔。