"追放嫁と姑の鍵" 第10話
私の腕がし震えました。
バラを5本選び、カスミを添え、包装で包みます。リボンを結ぶ指先がかすかに震えていました。
おばあさんは代を払い、束を受け取ってていきました。
ドアが閉まり、のに私1になりました。
カウンターのに、初めての売が置かれています。
お札が数枚。
私はそのおを見ろしました。
「私のおだ」
独り言でした。
あので8事をしてきましたが、私の名で収入を得たことはありませんでした。活費をもらって使うのと、自分ので稼いだおは違いました。
カウンターののお札がすべてでしたが、そのすべてが私のものでした。
夕方になり、のドアを閉めました。
売を計算し、で仕入れるのリストをきます。
気を消そうとして、私は止まりました。
話をに取ります。
芳さんに話したかった。
をいたこと。
初めてのお客さんが来たこと。
初めての売があったこと。
全部、伝えたかった。
しかしの最の文章がに浮かびます。
ろは振り返るな。
私は話を置きました。
が話のにし留まり、それかられました。
芳さんの方からも連絡はありません。
私が1でつが必だと、芳さんも分かっているようでした。それはたい沈黙ではなく、見守るための沈黙でした。
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私はスーツケースから優太のスケッチを取りしました。
を持った女性が描かれた、がたがたの絵です。
作業台の横の壁にテープで貼りました。
こので初めて壁に飾られたものでした。
蔵庫のにはがあり、作業台のにはリボンがあり、壁には優太の絵がありました。
私のは、しずつ満たされていきました。
のかりを消し、シャッターをろします。
にると、が吹きました。
神戸のの方から来るです。
あののベランダに吹き込んできたのと同じでした。
けれど今、私がっているのは、自分ののでした。
その、ポケットので話が鳴りました。
らない番号ではありません。
でした。
私は話にました。
の声がさく聞こえます。
「ママ、会いたい」
私は話をく握りしめました。
すぐには返事ができません。
喉の奥がくなりました。
のかりので、腕が震えていました。
「ママも会いたいわ」
は話の向こうでをすすりました。
私は泣き声が漏れないように唇を噛みしめました。話が切れたも、しばらく話をポケットに戻すことができませんでした。
それから、子どもたちの様子がしずつ聞こえてくるようになりました。
リナが子どもたちに無関になったことは、の話で分かりました。
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朝、お弁当がありません。
リナが作ってくれないのです。
は空っぽの鞄を持って学へきました。優太も同じです。
私が毎朝ハート型の苔巻きや恐竜のおにぎりを入れていたお弁当が、なくなったのです。
が休みにトイレからこっそり話をかけてきました。
声を潜めて言います。
「ママ、優太がご飯べないの。朝、作ってくれないから」
私は話を握るに力が入りました。
今すぐ駆けつけたかった。
けれど私は、もうあののではありません。
類のでは、でした。
その週の曜でした。
を閉めるになった頃、ガラスのドアの向こうにさなが見えました。
優太でした。
制のにジャンパーを羽織り、鞄を背負ったままのにっています。に入れず、ためらっていました。
私はドアをけました。
優太は顔をげ、私を見げます。
何も言いません。
私も何も聞きませんでした。
ただ、ドアをきくけてあげました。
優太はに入ると、奥の部に鞄を置いて座りました。
それが始まりでした。
そのから、優太は学が終わるとへ来るようになりました。奥の部のさな机で宿題をし、私が作る苔巻きをべました。
私は昔のように、恐竜の形のおにぎりを握ります。
優太は皿ののおにぎりを見て笑いました。
に来てから初めて見た笑顔でした。
私はその笑顔を見て、台所の方へ顔を向けました。
目がくなったからです。
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