"名刺一枚の逆転縁談" 第11話
「私たちはあなたにうちの会社のことを話していたし、あなたもお父様にうちのことを教えていたわけでしょう? それなのに何も言わないなんて。嫁にっても丈夫なかどうか、私たちを試していたんじゃないの?」
私は首を横に振った。
「私は別に素性を隠していたわけではありません」
はっきりと言った。
「それに、結婚というのは、まず当同士の気持ちが事ですよね。それなのに、私の素性もよくりもせず、勝ない込みで無理やり引きそうとしてきたのは、そちらですよね」
「そ、そんなことは……」
「だって私は何も聞かれませんでしたよ」
私は彼女の目を見た。
「あなた方は、私を見た目で判断しただけですよね。私の実や両親のことなんて、何も聞いてきませんでしたよね」
母親は言い返そうとしたが、すぐには言葉がてこなかった。
「だ、だって、そんな企業の会のお嬢さんが美容師なんかしているなんて、普通わないでしょう。しかも、あんな格好でホルモンとか庶民のべ物をべにくなんて」
「そうですか?」
私は静かに答えた。
「何をべるか、何を着るかなんて、まれに関係ありませんよ。誰だって美しいものはべたいでしょう。ねえ、お父さん、お母さん」
父は笑って頷いた。
「確かに、どんなでも、どんな料理でも、美しいものは美しいからな。
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私たちもラーメンや焼き鳥によくきますし」
優馬さんの父親が驚いたように顔をげた。
「会がラーメンにくんですか?」
「そりゃきますよ。来たては何でも美しいですし、そのでしかわえない雰囲気というものがありますからな」
父はそこでし目を輝かせた。
「こういうものもスーパーで何か展できると、さらにいいんだが……」
私はすかさず止めた。
「お父さん、今は仕事の話はやめて」
「ああ、そうだったな。悪い悪い」
父は咳払いをして、改めて優馬さんの両親を見た。
「つまり、言いたいのは、職種やまれで線引きするのはあまり良くないということです。会社を経営していると責任がくなるのは分かりますが、などでを勝に決めつけるのはどうかといますよ」
父は静かに続けた。
「かくいう私も、まれは貧しかったので」
優馬さんの父親が驚いた。
「そ、そうなんですか。てっきり会は、まれたから成功した柄なのかと」
「違いますよ。私と妻はさいから始めて、今の会社になっただけです」
父は優馬さんの父親を見た。
「桜庭さんだって、自分の代で会社を成功させたわけでしょう。つまり、まれによってそののが決まるわけではないんですよ」
優馬さんの父親は、黙って聞いていた。
「私の、ここまで会社をきくできたのも、好きなことを続けてきたからだとっています。
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だから娘にも、好きなことをう分してほしいんです」
父の声は、穏やかだった。
けれど、その奥にはい志があった。
「その娘が結婚したいというのに、まれや見た目でとやかく言われるのであれば、こちらも事な娘のためです。段にても仕方ないとはっております」
優馬さんの父親は、慌ててを振った。
「そんな、段だなんて冗談はやめてください。もちろん私どもは、娘さんが息子と結婚してくださることを嬉しくいます。むしろ栄です。なあ、由利」
「ええ、ええ、そうですとも。ぜひともよろしくお願いします」
2は揃ってをげた。
それを見て、父はにっこりと笑った。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
これで件落着かとった。
しかし、優馬さんの母親はほっとしたのか、また余計なことをにした。
「でも、まなみさんが会のお嬢さんということは、いずれは優馬がスーパーの社になるってこと? すごいわ。さすが優馬ね」
父は笑顔を崩さずに答えた。
「それはありえませんな」
「え? どうしてですか? うちの優馬は社にふさわしくないと、そういうことですか?」
「いえ、そういうではありません」
父は私をちらりと見た。
「実はまなみには姉がいるのですが、今では結婚して、その夫が社を務めてくれているんです。
だから、まなみは会社経営には全く関係ありません」
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