みかん小説
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"名刺一枚の逆転縁談" 第9話

「スーパー?」

母親が聞き返した。

「え、スーパーって、あのスーパーですか? 肉とか魚とか売っている?」

「ええ。そのスーパーです」

優馬さんの父親は、呆れたように笑った。

「スーパー勤めですか。しかも、たまにって、それはアルバイトということですか?」

父はただ微笑んでいた。

「まあ、そんなところです」

「田舎暮らしだから、どうせしたことのない仕事をしているとはっていましたが、スーパーと来ましたか」

彼の父親は笑った。

「なるほどな。これではっきりしました」

父が静かに尋ねた。

「それは、どういうでしょうか」

「もともと、お嬢さんは素が悪そうだとっていたんですよ。変な髪の毛をしているでしょう。装だって、今はまともそうですが、以お会いしたなど、女性とはえない格好でしたよ」

父の眉が、ぴくりといた。

「だから、きっとまれもしたことないのだろうとっていたんです。そしたら父親はスーパー勤め。しかもアルバイト。これではっきりしましたな」

そして彼の父親は、冒の言葉をにした。

「お宅のお嬢さんとうちの息子では、全く話にならない。柄がこうも違うと釣りいません。この結婚はなかったことにしていただきたい」

父が名刺を差しした瞬、優馬さんの父親の顔が変わった。

「株式会社フジマーケット……代表取締役会……藤井省吾……」

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彼の声は、らかに震えていた。

母親が慌てて名刺を覗き込む。

「ちょっと待って。フジマーケットって、あの全国展しているスーパーよね。郊型ショッピングモールも展している……」

父は何でもないことのように答えた。

「ええ。おかげさまで、くのお客様にご利用いただいております」

母親の顔が引きつった。

「私だってよくくし、なんならうちの系列のショップも、確かフジマーケットさんのショッピングモールに入れさせてもらっているわよね。ねえ、あなた」

優馬さんの父親は、言葉にならないようだった。

「か、会……? でも、フジマーケットの本社は都内だったはずじゃ……おまいは田舎だと……」

父はにこやかに答えた。

「実は、社業を退いたのと同に田舎へ移したんです。以は都内のんでいたのですが、妻が庭菜園をやってみたいと言いしましてな」

父は母を見た。

「それで、自宅にも庭はあったものの、やるならもっと広いでやってみたらどうかということになりまして」

母はころころと笑った。

「本当は主緒にいろいろ育ててみたかったんですけど、このったら、くにスーパーがあるのが分かった途端、そっちに顔をすようになっちゃってね。結局、私1で野菜を育てているんですよ」

「いやあ、すまんな」

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父は母に笑って謝ったが、母はまだ言いりないようだった。

「せっかく田舎でのんびりしようとって引っ越したのに、仕事ばかりしているんですから」

「いやいや、がないわけじゃないぞ。利用してくださるお客様あっての会社だからな。お客様の向を把握するのは事なことだろう」

母は呆れたように首を振った。

「それが仕事をしてばかりって言っているのよ。社を退いたっていうのに。このったら、社をしているからずっとこうなんです。休みのに観こうと言いしたかとうと、結局そのの自社スーパーに寄って、お客様を観察したり、陳列を直したりして」

「いや、それは気になるじゃないか。自社のスーパーがどのように利用されているかは」

「だからって、子どもと過ごせる休を台無しにする? おかげで私たちの休といえば、県のスーパー巡りだったわよね。ねえ、まなみ」

急に話を振られ、私は慌てて頷いた。

「え? あ、うん。そうだったね。でもお母さん、ここは顔わせのだから、その話はやめてほしいんだけど」

母ははっとしたように表を改め、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。

「あら、ごめんなさい。私ったらうっかり」

母は優馬さんの両親に向かって微笑んだ。

「桜庭さん、すみませんね。今の話は忘れてもらってもいいかしら?」

「え? あ、はい。もちろんです、奥様」

先ほどまであれほど偉そうだった優馬さんの父親が、首をにぶんぶん振っていた。

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