"名刺一枚の逆転縁談" 第4話
「なんだ、優馬もいたのか。私たちはこれから寿司にくが、おも来るか?」
「いや、俺は今は別のところにくからいいよ」
優馬さんの父親は、そこでようやく私に気づいた。
「なんだ、連れがいたのか。もしあれなら緒でもいいぞ。……いや、その格好じゃ無理か」
彼の線が、私のパーカーとデニムをゆっくりなぞった。
「いくら休みだからって、なんだその格好は」
私たちは2ともカジュアルな装だった。ホルモンにくにはちょうどいいとっていたのに、その線で急に体がさくなる。
優馬さんがにた。
「何が悪いんだよ。別に普通だろ」
「優馬、せめて休みのぐらいおしゃれをしろ。隣の友の響か?」
友。
その言葉に、私は瞬固まった。
優馬さんは眉を寄せた。
「友じゃない。彼女だよ」
「彼女?」
父親の声がきくなった。
「こんな、センスのかけらもない娘がか?」
優馬さんの父親の言葉に、私はそので固まった。
こんな娘。
初対面で、しかも本を目のにして言う言葉ではない。
優馬さんはすぐに言い返した。
「父さん、まなみに失礼なことを言うなよ」
「失礼? だって見た目からしてまともじゃないだろう。あれか、元ヤンってやつだろ?」
私はわず髪にをやった。
その頃の私はボブヘアで、表面は黒、内側にピンクのインナーカラーを入れていた。美容師として働いていることもあり、髪やスタイルには倍気を使っていた。
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奇抜すぎない範囲で、自分らしさをすためのだった。
「あ、違います。私、別に元ヤンとかではなくて、この髪はおしゃれでしています」
父親は瞬黙った、突然声で笑いした。
「それがおしゃれか。なるほどな。庶民なりのおしゃれとは、そうやってちょっとだけ髪を染めることを言うのか」
私の頬がくなった。
「全体を染めるがないから、部分だけ染めているということだろう?」
「違います。これはインナーカラーといって、今流りの染め方で……」
「流りと言えば、おがないことをごまかせるとっているのか?」
優馬さんが慌てて母親の方を見た。
「母さんなら分かるんじゃないか? 本当にこういうカラーは今流りで、取り入れている女性もいんだよ」
けれど、それは違いだった。
母親は私の髪を見て、わざとらしく眉をげた。
「私のお友達には、そんな奇抜なヘアスタイルのなんていないわ。それにしても、この子が本当に優馬の彼女なの?」
この子。
さっきの「こんな娘」に続いて、また私は物のように扱われた。
「装もだし。優馬、こんな子がタイプなの? こんな子が彼女だなんて恥ずかしくないの?」
その言葉は、っていた以に胸に刺さった。
私は、連れて歩くと恥ずかしいなのだろうか。
そうった瞬、言葉がなくなった。
「装はこれでいいんだよ」
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優馬さんが私のにつようにして言った。
「この方が気兼ねなく楽しめるんだから」
母親は軽くため息をついた。
「そんな装でいいなんて、やっぱり隣の彼女の響ね。そんな子とはすぐに別れなさい。私はそんな品のかけらもない子を彼女とは認めないわよ」
初対面でここまで言われるなんて、像していなかった。
私はち尽くすしかなかった。
優馬さんは、私のを取った。
「まなみ、もうこう」
彼は私のを引き、そのかられてくれた。
その、予定していたホルモンへった。のにはばしい煙がちこめ、鉄板ので肉が焼ける音がしていた。本当なら、優馬さんと楽しくべるはずだった。
けれど私は、ほとんどが分からなかった。
優馬さんは何度も謝ってくれた。
「本当にごめん。父さんたちがあんなことを言うなんて」
「優馬さんが悪いわけじゃないよ」
そう答えながらも、私ののでは、彼の両親の言葉が何度も繰り返されていた。
数、私はいつものように仕事帰りに「咲」へ寄った。
カウンター席に座ると、優馬さんがし緊張したように話しかけてきた。
「まなみ、今度の誕はちょっとおしゃれなデートをしようか」
私の誕は1週に迫っていた。けれど、そのはお互い仕事の予定だった。
「いいよ。だっておがあるでしょ」
「でも、せっかくの誕だし、ちゃんとお祝いしたいからさ」