"雨の日の給食費制裁" 第4話
けれど、そのさなおすら、里のためには使われなかった。
私はカード会社への話を終えた、すぐに弁護士へ連絡した。
「先、私です。いよいよきます」
話の向こうで、弁護士は落ち着いた声で答えた。
「分かりました。これまで集めた資料を正式に理します」
「カードの利用細、弓さんと里さんのSNS投稿、武志の会社経費の資料、すべてお送りします」
「承しました。お孫さんの件も含め、急に対応しましょう」
私は話を切ると、里の方を見た。
里は疲れ切ったのか、ソファので眠りかけていた。頬には乾ききらない涙の跡が残っている。
私はそっと毛布をかけた。
その頃、級寿司のカウンターでは、里が取り巻きたちに囲まれていた。
「本当にうちの娘と婿は優秀でね。武志さんは、お母様、つまり子さんの会社で役員を務めているのよ」
里はワイングラスを片に、得げに言っていたはずだ。
隣では武志が恐縮したようにをげていた。
「いえいえ、これもすべて里お母様と弓のおかげです。僕1の力ではとても」
その言葉が、どれほどっぺらいものか。
武志が役員でいられるのは、私の夫が残した会社であり、私が息子だからと席を用したからだった。
けれど彼は、それを里たちのおかげであるかのように語っていた。
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弓も隣で満げに微笑んでいたという。
彼女たちの周りには、羨望と嫉妬が入り混じったお世辞の言葉がび交っていた。
「まあ、あちらのお母様も、私たちを信頼して全て任せてくださっているから、経済なことは切配ないのよ」
里はそう言っていたらしい。
散々自話を繰り広げ、宴もたけなわになった頃、里はハンドバッグから見せつけるように私のブラックカードを取りした。
「将、お会計をお願い。支払いはいつも通りこちらのカードでね」
そのの誰もが、里の裕福さと顔の広さにしていた。
この瞬こそ、里が何よりも切にしている優越に浸るだった。
員がカードを預かり、レジへ向かう。
しかし、数分経っても戻ってこない。
ざわつき始めた取り巻きたちをに、里は平静を装っていたが、指先は苛ったようにテーブルを叩いていた。
やがて員が、申し訳なさそうな顔で戻ってきた。
「お客様、変申しげにくいのですが、こちらのカードはご利用になれないようでして……」
「なんですって?」
里の声が内に響いた。
「そんなはずないでしょう。もう1度やってみなさい」
隣で弓が顔面蒼になり、声で呟いた。
「お母様……まさか、あの女、何かしたんじゃ」
「馬鹿なことを言わないで。ただの械のエラーに決まっているでしょう」
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内の客の線が、彼女たちのテーブルに突き刺さった。
員は再びカードを預かってレジへ向かった。
結果は同じだった。
「何度試しても、エラーになってしまいます」
「なんですって? 限度額なんてないカードのはずよ!」
弓が半狂乱になって叫んだ。
「どうするのよ? みんな見てるわ」
武志はおろおろするばかりだった。
「母さんに話してみるか……」
「今さら話してどうするのよ、この役たず!」
さっきまでの優雅な雰囲気は、もうどこにもなかった。
里は必に取り繕うように、取り巻きたちへ向かって言い訳を始めた。
「ごめんなさい、皆様。きっとのシステムトラブルですわ」
武志も慌ててその嘘に乗った。
「そうなんです。うちの母、し抜けているところがありまして。支払いの続きを忘れたのかもしれません」
里はわざとらしくため息をついた。
「もう、本当に困った方ですこと」
けれど、その嘘はあまりにも見え透いていた。
取り巻きの1が、聞こえるか聞こえないかの声で囁いた。
「里さん、もしかしておがないのかしら」
別の者も続けた。
「さっきの話も全部嘘だったんじゃない?」
「見栄を張るのも概にした方が……」
その言葉が引きだった。
羨望と尊敬のまなざしは、瞬で嘲笑へ変わった。
里が何より切にしていたプライドが、公衆の面で崩れていく。
結局、そのの会計は、弓が財布からかき集めた現で部を支払うしかなかった。何万円にもなる会計には到底りず、里は顔を真っ赤にしての将に平し、必ず支払うと約束するしかなかったという。
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