"蜂蜜先生の救命列車" 第8話
「よく頑張ってくれた。君の奮闘ぶりは々もネットで見ていたよ」
「変な展になっていてすみません」
俺は苦笑した。
「今回の件が終われば、騒ぎも収まるでしょう。それより患者たちをお願いします」
「分かった。ぜひ君も来てくれ。君が応急処置をした患者たちのそのもりたいだろう」
「そうですね。では、そうさせていただきます」
俺はのほか、応急処置をした患者たちのベッドを回った。
松医院の医師や護師たちは、設備こそ病院ほどではないが、確にいていた。処置も判断も無駄がなく、域医療を支える現のさをじた。
こうして彼らは救われた。
これは俺1の力ではない。
蜂蜜を差ししてくれた老婦。
AEDをって取りにった男。
分を配った乗客。
井護師。
駅員。
消防隊員。
全員がしずついたから、命がつながった。
俺はからそうった。
その、俺は院へ呼ばれた。
松院は机の向こうで、真剣な顔をしていた。
「君の働きには銘を受けた。こんな素らしい医師がこの域にいるなんて、奇跡にい。今までどこで働いてきたんだ?」
「国境なき医師団の員として働いてきました」
院の目がわずかにきくなった。
「しかし、母がくなり、実に父1になってしまったので帰ることにしたんです」
俺はそれ以のことを言うか迷った。
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医師として治療を続けることに虚しさをじ、すべてを捨てて帰ってきた。
その話をするには、まだがかった。
しかし院は、俺が黙った理由を察したように静かに待ってくれた。
やがて、院はいがけないことを言った。
「まだ勤務先が決まっていないなら、うちの病院に常勤してくれないだろうか」
「え?」
「君は科医だ。それなりの待遇も考える」
俺はすぐに答えられなかった。
「今のところ、医療業務に就く予定はないんです。なんというか、が疲れてしまって」
俺は正直に話した。
医者になったのに、母の命を救えなかったこと。
その無力が消えないこと。
医療の現に戻る資格が、自分にあるのか分からないこと。
院は黙って聞いていた。
そして、ゆっくりと言った。
「ネットで見た君の姿は、戦ので患者を助けるために頑張っていたの君そのものだった。君の医療に対するは、消えていない」
俺は線を落とした。
「そうでしょうか。自分では、無で体が勝にいてしまっただけです」
「今すぐとは言わない。じっくり考えてくれ」
俺は返事を保留した。
母の命を救えなかった俺に、再び医療のへ戻る資格はあるのか。
その問いが、胸ので何度も響いていた。
俺はその、父に話をした。
列の遅れでまだ実に帰れないことを伝えるつもりだった。
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だが父は、俺が話し始めるに言った。
「見たぞ」
「何を?」
「蜂蜜先」
俺はわず黙った。
父までネット画を見ていたらしい。
普段からくを語らない父だった。だからこそ、その言言にはみがある。
父はしばらく沈黙した、い声で言った。
「救った命が答えだ」
俺は目を閉じた。
胸の奥に、母の顔が浮かんだ。
「父さん」
「おは母さんを救えなかったとっているのかもしれん。だが、母さんはそんなことを望んでいない」
父の声は静かだった。
「まだ救える命があるなら、救えばいい」
俺は受話器を握りしめた。
「ありがとう、父さん。俺、もう度頑張ってみるよ。母さんもきっと、その方がぶだろうしね」
「そうだな」
父はく答えた。
「いつも見守られていることを忘れるな」
話を切った、俺はしばらくけなかった。
救った命が答え。
その言葉は、俺の迷いのにまっすぐ刺さった。
数かけて考えた。
やはり俺には医学のしかない。
こうして俺は、松医院の科医として働くことを決めた。
決を院に伝えると、松院はからんでくれた。
「方にはどうしても医師がない。みんな最先端の医療をやりたがって、設備のった都会へってしまう」
院は子にもたれ、く息を吐いた。
「そこで君の番だ」
「俺みたいな無名の男が入ったことで、何か変わるとはえませんが」
すると院は笑った。
「君はまだ蜂蜜先の力を信じていないのか。