"消えた退院前夜" 第13話
「子、孫たちだよ。きくなっただろう」
孫たちはをわせ、墓に向かって言った。
「おばあちゃん、こんにちは」
誠さんはその姿を見て、静かに微笑んだ。
「子もんでいるよ」
帰り、孫の1が尋ねた。
「おじいちゃん、おばあちゃんはどこにいるの?」
誠さんはを止め、空を見げた。
青い空に、いがゆっくり流れていた。
「いつもそばにいるよ。みんなのことを見守ってくれているんだ」
孫は「そうなんだ」と言って、同じように空を見げた。
事件から18が経っていた。
子さんはもうこの世にはいない。けれど、族ののではき続けていた。
優しかった笑顔。
温かかった言葉。
朝く台所につ背。
族を見送る声。
その全てが、残された々の記憶のに残っていた。
子さんはあの、信じていた病院で突然命を奪われた。あまりにも理尽で、あまりにも残酷な来事だった。
けれど、真実はらかになった。
犯は罰を受けた。
そして子さんは、8かのいを経て、族のもとへ帰ってきた。
誠さんは墓でをわせた。
「子、みんな元気にやっている。これからも見守っていてくれ」
が静かに吹いた。
くのの葉が揺れ、くで鳥の声が聞こえた。
誠さんはそれを、子さんの返事のようにじた。
したは、いつか必ずこの世をる。
けれど、そのが残した記憶は、残された者のでき続ける。
田の々は、いしみを抱えながらも、子さんの記憶と共に歩いていった。
そして今も、リビングの写真ので、子さんはあのと同じ優しい笑顔を浮かべている。