みかん小説
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"見下した作業服の裏にある真実の誇り" 第13話

 

 

「君についても、会社の資横領や費用の正使用に加担していた疑いがある。でじっくり署で話を聞かせてもらうよ」

拓也はまるで自分の臓が凍りついたかのような衝撃を受けた。もなく、親もなく、何もかも失う。誰もが羨むエリートコースを歩んでいたはずの自分のが、奈落の底へ真っ逆さまに落ちていく覚。

彼は震えるでスマートフォンを取りし、最の望みをかけて私、みさに話をかけようとした。しかし何度呼びしても返ってくるのは無なアナウンスだけだった。

「おかけになった話番号は現着信を制限しております」

「みさ、みさ、頼む、てくれ!お願いだ、僕を捨てないでくれ!」

拓也の叫びは夜のに虚しく消えていった。私が彼を沈黙という壁で拒絶したこと、それが彼にとって最の絶望だった。

その頃私は母と佐藤さんと共に、静かににいた。窓のを流れる町のかりを眺めながら、私は先ほどの佐藤さんの言葉を反芻していた。き父の遺言の話。

佐藤さんはハンドルを握ったまま、バックミラー越しに私に微笑んだ。

「ええ、お父さんは自分がいなくなっても、正子会で会社をきくし、みさお嬢さんが派に成することを確信していました。でもつだけ配していたことがあったんです」

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母が私のを優しく握りしめた。

「お父さんはね、シノメという名や、私たちの財産に群がってくる悪いからあなたを守りたかったのよ」

「どういうこと?」

「お父さんの遺言にはこう記されていたんです。『みさがもし結婚を決めたなら、相族にあえて々の原点である作業姿を見せなさい。もしその姿を見げ、みさのを軽んじるようなであれば、その者たちを徹底に排除し、みさをそのから救いしなさい』とね」

私は息を呑んだ。あの顔わせの席、母が作業で現れたのは単なる仕事の遅れだけではなかったのだ。それはき父が残した、私を守るための究極の守り策だったのだ。

「お父さん、そこまで考えてくれていたのね……」

くなる。父のくなってから経った今でも、私を包み込んでくれていた。

「そしてね、みさお嬢さん、遺言にはまだ続きがある」

佐藤さんの声がしだけ真剣な響きを帯びた。

「お父さんは、その試しに格しなかった者がもしみさお嬢さんを傷つけ、々の誇りを侮辱したには、私が管理している基を即座に凍結し、相側の関連企業を法に徹底調査するよう指示していたんです」

「それって…… だから貿易の正がこれほどく暴かれたのは、お父さんがに仕掛けておいたいわばを、さんたちが自ら踏み抜いたからなんです。

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シノメグループはかけて、貿易のような腐敗した企業の証拠を集めていました。今のあの顔わせが、その実のきっかけになったというわけです」

「なんてことだろう……」

敵は私が選んだ結婚相族だった。しかし彼らは私自していたのではなく、私の背にある財力と位を欲しがっていた。父はその本質をも見越していたのだ。

「彼らの苦難はまだ始まったばかりよ」

母が静かに、しかし断固とした調で言った。

貿易の倒産、さんの逮捕。これだけではない。彼らがこれから直面するのは、自分たちが軽んじてきた労働者や請け業者たちからの涛の損害賠償請求だ」

物語は彼らの自業自得による没落へとさらに拍をかけていく。

しかし、その方で私と母にはもうつの驚くべき再会が待っていた。き先は自宅ではなく、かつてのあのさな町だった。

そこに灯っていたかりのっていたのは、私たちが像もしなかったあのだったのだ。

が止まったのは、都層ビル群かられた町の裏だった。ここには周囲の再発から取り残されたように古びた、だが入れのき届いたさな町が佇んでいた。

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